・Restricted Area 公式サイト
・Restricted Area – GamsersGate / $3.89
世界観がサイバーパンクのハック&スラッシュ。Restricted Area(立入禁止区域)で、違法行為に手を染めながら必死に生きていくアウトローたちの物語が繰り広げられる。
主人公は4人。軍人崩れのジョンソン、サイキッカーのヴィクトリア、エンジニアのジェシカ、ヤクザのケンジ。この中からひとりを選ぶ。選ばれなかったキャラクターはNPCとして登場し、協力したり、救出したりすることになる。
ジョンソンは銃の扱いに長けており、手榴弾を使用可能。ヴィクトリアは超能力を使い、ジェシカはドローンを利用でき、ケンジは体術が得意。それぞれが異なったスキルを持っている。スキルはツリー方式で、一人当たり30種類(重複有り)も用意されている。
世界観がサイバーパンクということで、キャラクターやダイアログの内容は他のハック&スラッシュとは大きく異なる。個人的にシビれたのは街の人との会話だった。街の人に名前を問われて、本名を名乗ると「バン!(銃声のマネ)いまのであんた死んだね。ここでは本名を名乗っちゃいけないよ」と諭される。それがサイバーパンクらしいやりとりで、ニューロマンサー儲としてはグッと来てしまった。
その他にも漢字の看板とか、あやしげな東洋風の建物、装備品が義体など、いかにもなエッセンスが散りばめられており、純粋なサイバーパンク好きとしては琴線をくすぐられてしまう。
ゲームの流れは、エージェントからクエストを請け負い、ダンジョンに潜ってストーリーを進めつつ、トレハンやレベリングを楽しむ。いわゆるハック&スラッシュものだ。ダンジョンは複数のバリエーションが用意されているが、街は一つしかない。Diablo 1を想像してもらうと分かりやすいだろう。
舞台は近未来の設定なので、主な武器は銃となる。ジョンソン、ヴィクトリア、ジェシカの三人は銃のみしか扱えず、近接武器の刀はケンジしか使えない。従来のハック&スラッシュは近接武器が主力ということが多いが、本作はメインが遠距離武器という変わった内容になっている。
銃の種類はハンドガン、マシンガン(ライフル)、ショットガン、火炎放射器、プラズマガンなど。ハンドガンは一発の威力は高めだが連射が利かない。マシンガンは連射性に優れるが一発の威力は弱め。ショットガンは威力が高いが散弾するため、遠距離だと命中しづらい。火炎放射器は威力は高いがリーチが短め。プラズマガンは威力が高めで遠くまで届くが弾のリチャージ時間が必要。それぞれ特徴があり、銃によって立ち回りや戦術が変化して面白い。ただし、撃っている最中は移動不可能で、アクション性はあまり高くない。
装備アイテムは義体パーツとインプラント。登場人物たちは不便な肉体を機械のパーツに替えて強化していくのだ。こういうところもサイバーパンクらしくて素敵だ。早くこんな時代がこないだろうか。
銃の弾丸は無限なので、弾薬不足などの心配はご無用。好きなだけトリガーハッピー可能だ。ちなみに私の主力はショットガン。敵の近距離でぶっ放すのが爽快だ。
ゴアは血のみで大人しい表現に抑えられている。バイオレンスな表現に厳しいドイツが開発のためか、四肢切断のようなエグイ描写はない。サイバーパンクとバイオレンスは切っても切り離せない関係だったりするので、この点はちょっと残念。個人的にはケレン味に富んだバイオレンスを味わいたかった。
マップ内にはドラム缶が配置されており、押して移動させることもできるし、撃つと大爆発する。その爆発が強烈で、敵を一網打尽にするだけの威力がある。敵をドラム缶にうまく誘導してドカーン!とやっつけるのが爽快だ。ドラム缶を並べてドラム缶トラップを作ったりするのもパズルゲームのようで面白い。ドラム缶が戦術に深みをもたらしている。
ダンジョン内はドアで仕切られた空間が多い。Diablo 1のようにドアを利用して、敵をひとりずつおびき寄せる戦法も必要になってくる。得てしてハック&スラッシュの戦闘は単純な殴り合いに陥りがちだが、本作は銃やマップの構造のお陰で独自の戦術性がある。初めの敵はゆっくり近づいてきて殴るだけのやつばかりだが、ゲームを進めていくとプラズマガンを撃ってくるようなやつも出てきて一筋縄ではいかなくなる。
しかし、ボス戦は単調極まりない。個室に閉じ込められるため、地形を活かした戦術ができなくなる。単純なヒット&アウェイしかできず、駆け引きが面白みに欠ける。
ムービーにVP3 Codecが使われているが、そのせいなのかVistaでは正常に再生できない。ムービーシーンはブラックアウトのまま流れるのでEscキーでスキップするしかないのが残念なところ。XPでプレイした時は大丈夫だったのだが・・・。VP3 Codecを最新バージョンにしたりしてみたが直らず、解決方法が見出せていない。