Alone in the Darkの最新作。開発はPure FPS。Netherに関わっていたメンバーが開発しているようだ。4人のキャラクターが闇の眷属と戦うTPSである。シングルプレイも可能だがAI操作の仲間が出てきたりはしない。ちなみに現在はサーバーが一つも立っておらず、プレイしている人はいない。アローンな状態である。なんでやろなぁ…。
キャンペーンが3つ、それぞれ4レベル(計12レベル)用意されている。難易度はEasy/Normal/Hard/Insane、難易度で敵の固さや登場頻度が変わってくる。1つ目のキャンペーンをクリアしたのだが、基本的にはマップを探索してバッテリーや爆薬などを拾って集め、目的地に運んで先へ進むという形式。重要なアイテムはハイライトで常に光っているのでやるべきことは分かりやすく提示されている。ただ、道が阻まれていたり、入り込んだ場所が多いのでかなり迷いながら進むことになった。鍵が開いていたり、開いていなかったりとランダムな要素も絡むので場合によってはかなり遠回りしなければならないケースもある。
暗闇を照らしながら探索するというデザインはいいのだが敵や淡々とした進行に問題がある。敵のアニメーションが全体的に粗く、ダメージアニメーションもパターンが少ないので安っぽい。範囲攻撃すると敵が同じタイミングで同じアニメーションをして滑稽である。あまり声も出さないし、足音も鳴らないので気づいたら真横にいて殴られていたり、敵が飛ばす毒が壁を貫通して飛んできたりと理不尽に感じる点が多く、プレッシャーや恐怖を与えるような要素が足りない。
進行も緩急がなく、淡々と物を集めて、淡々と湧いてくる敵を始末して進むといった具合で味気ない。特殊な敵はいるのだが普通の敵と比べて驚異的という感じではないし、大量の敵が襲ってくるラッシュのようなランダムイベントが定期的に発生するするわけでもなく、まさに淡々といった言葉が相応しい展開で盛り上がりに欠ける。シングルプレイで遊んでも重要なアイテムは3つ、4つと運ばなければならず、一人でいくつも持って運ぶということができないので同じ作業を何回も繰り返さなければならない。開発的には3、4人でプレイして、物を運ぶというのが理想像だと思うのだが残念ながらアローンなゲームなので…。
Alone in the Dark (2008)と同様、光が重要となっており、敵に光を当てないと撃ってもほとんどダメージを与えられない。敵にフラッシュライトを当てると体が青色に光り、銃で多少はダメージを与えられるようになる。街灯やドラム缶に明かりを点けて、それに敵が照らされると体が黄色に光り、この状態なら大ダメージを与えられる。低い難易度ならヘッドショットで即死。街灯やドラム缶は一定時間で消えてしまい、使えなくなるので同じ場所には居座れない。
キャラクターは4人用意されており、それぞれ能力が異なる。
・Hunter – Alone in the Dark (2008)のカーンビーがモデル。AK-47、M4、P90を扱え、それぞれに火炎放射器が搭載されている。
・Witch – ハンドガンと電撃の能力を持つ。能力は3つ、電撃で一体を攻撃、明かりの周囲の敵に継続ダメージ、地を這う電撃ボールを飛ばす。
・Engineer – 武器はハンドガン、ショットガン、テスラコイル、手裏剣。テスラコイルを設置すると、周囲の敵に電撃でダメージを与える。手裏剣は前方に投げて攻撃する。
・Priest – 武器は二丁拳銃と聖なる力。聖なる力は3つ、敵一体を黄色に光った状態にする、クンッとして周囲の敵を即死、周囲の敵を転倒させる。
能力はそれぞれ強力で光がない状態でも大ダメージを与えられるのが特徴。Alone in the Dark (2008)にThe Darknessを足したような印象だ。様々な特殊能力を使って敵を倒すというデザインは面白いのだが敵のアニメーションや駆け引きが単調なので物足りない。
経験値要素があり、スキルを上げて、難しい難易度に挑戦するといったリプレイ性はある。ただし、低難易度でクリアするより高難易度で敵を倒しまくって全滅した方が得られる経験値は高く、ちぐはぐである、敵のAIや動きといった作りこみの作業にもう少し時間をかければ一定の人気は得られたかもしれないと感じる。あとはAlone in the Darkという看板をもらいながらインディー規模の内容だったのも問題だろう。Alone in the Darkといったら著名なタイトルでそこそこ金のかかったプロジェクトなんやろなぁという印象を与えてしまい、それが蓋を明けてみればこれで失望を増幅させてしまっている。それと理由は分からないのだが敵を倒した瞬間に画面が一瞬固まり、これが毎回発生するので相当なストレスを感じる。ただ、UNKさんは面白いと思うのでホモの一太刀は全員買おう。