「 Dead Space 2 」一覧

Dead Space 2 – 想い出陵辱(クリア)

最後はあっけない終わりで、前作のラスボスの方が燃えた。難易度は途中からでも変更できるので、物足りないと感じたら適時調整すればいい。二番煎じの焼き直しというべき内容だが、シューティングは前作よりもさらに洗練され、完成度は高い。前作と違ってハッピーエンド寄りなので後味も良い。

今回は登場人物との絡みが多く、誰が味方で誰が敵か分からないミステリアスな展開とニコルへの執着、そして新しい仲間との出会いなど、ドラマ性が大幅に強化されており、ストーリーが面白い。しかし、そのせいでアイザックとの一体感は薄れてしまったが、これは仕方のないことだろう。

宇宙ステーションを舞台にしたお陰で、ケレン味のある巨大な建造物群が登場し、機械のデザインや仕掛けも凝っていて、SF的な魅力が増している。360°縦横無尽に駆け巡れるジェットパックによる宇宙遊泳もSFらしさを強め、センスオブワンダーをくすぐる。敵は使い回しが多く、目立って新しい要素もないため、マンネリ感は否定できないが、前作のファンや宇宙を愛する人なら間違いなく楽しめるだろう。


Dead Space 2 – お前にオメガブースト(2)

装備するとアイテムが10%割引になるヴィンテージスーツを手に入れ、ようやく武器を買うタイミングがやってきたようだ。これからさらに割引効果を持つスーツが出てくるかもしれないが、デフォの無改造プラズマカッターでは、もはや力不足。この辺で新しい武器を導入するべきだろう。前作でお馴染みの武器がアンロックされているが、その中ではパルスライフルが一番無難そうだった。Dead Spaceの武器は攻撃方法自体はオーソドックスだが、外観が工作機械の延長という感じでユニーク。無骨で飾りっけはないが、それでいて安っぽくない。質実剛健な造形が所有感を満たし、愛着を持たせる。

今回もQTE(クイックタイムイベント)はあるが、Eキーの連打とシューティングで解決できるので苦にはならない。演出はダイナミックで迫力があり、なおかつ分かりやすい。QTEというとマイケル・ベイ映画のようにズーム多様やカメラのブレが激しすぎて何が起こっているのかよく分からない、音ゲーみたいなボタン押しを要求されてじっくり演出を見れないという不満がよくあるが、Dead Spaceの演出は洗練されていてバランスが良い。シューティングゲームなのだからイベントもシューティングで解決するのは合理的で、部位切断の要素も演出にしっかり活かされている。

SF的なシチュエーションとレベルデザインは、前作よりもバリエーションやケレン味に富んでいて好印象。まともなスペースオペラを体験できるゲームは貴重だ。こういうのはやはり海外産に限る、というか海外でしか作りにくいといった方がいいだろう。日本では宇宙家族ロビンソンやスター・トレックが一定の人気を保っているものの、一般的にマニア向けで受けない。ファンタジーは妄想で書けるが、スペースオペラはまだしもハードSFは知識や素養がないと成り立たない。その点、Dead SpaceはSFへの愛が端々から感じられ、わくわくさせる。


Dead Space 2 – 死を記憶せよ(1)

幻影に悩まされ、仲間に裏切られ、恐怖に怯えつつ、奇声をあげながらモンスターの四肢を潰してやっつける戦略的部位切断ホラーTPSの続編(ながい)。採掘船「石村」の惨劇から三年後、今度は宇宙ステーション「スプロール」で再び悪夢に襲われる。

アイザックは前作のショックで精神に障害を負い、石村脱出後の記憶があやふや。登場人物たちはアイザックのことを知っているが、もちろんこちらは覚えていない。彼らは協力してくれるようだが、善意でやってくれているのか、それとも利用されているのかは定かでない。そえゆえ今回も前作と同じように記録を集めて、真実を追い求めていくことになる。

人間の記憶は非常にあやふやで、時間が経てば経つほど細部は薄れ、都合の良いように書き換えられていく。しかし、記録は裏切らない。記録はその姿をありのままに保存する。だから人は正しい記憶を失わないように写真やビデオで記録にして残すのだ。だが、他人によって作られた映像・音声録音・文章がどこまで本当かは当事者しか知らず、疑い始めればきりがない。とりあえず協力者と思われる人物に従いながら進んでいくことになる。

前作のアイザックは殴ったり、傷を負った時以外は無言を貫き、寡黙な主人公だった。余計な口を挟まないお陰で主人公との一体感を得られたのだが、今作では人が変わったように登場人物と会話し、主人公との距離が遠くなったように感じられてしまう。ただし、コミュニケーションを取るようになったことでドラマ性が増したのも事実だ。この点は体験が好きか、それともドラマが好きかで評価が分かれるところだろう。

前作で恋人のニコルの安否をアイザックは知っているもの、そのショックからは立ち直れておらず、まだ現実を直視できていない。その弱みがマーカー(いまのところモノリスあるいはソラリスのような存在として描かれている)の影響で幻影として現れ、悩まされる。最愛の人のことを受けいられるか否か、ちょっぴり切ないロマンスが今回の主題なのかもしれない。とはいえ、ニコルさんは某幼女ママ並にモーレツアタックをしてくるので、愛だの恋だのそんな甘っちょろい感傷には浸っていられない。泣きっ面に悪夢だ。

宗教団体「ユニトロジー」はここでも洗脳布教活動を行っており、ますますカルトっぽさを強めている。母娘が住んでいた部屋には「マーカー様は我々を救済してくださる」とか「痛みを楽しみましょう」といった狂気じみた書き込みの後に「ママが病気になっちゃった」と切ない言葉が残されていて、ネクロモーフなんかよりも人間の方がよほど怖いということを認識させる。

前作の操作は垂直同期を切っても照準合わせに少し違和感があったが、今作ではスムーズになった。暗いところが多いのでずっと銃を構えて移動した方がいいくらいだ。バイオハザード4は銃を構えている間は動けないという制約によって、じわりじわりと敵に追い込まれていく恐怖感や緊迫感を演出し、歩きながら銃を撃てないのがゲーム性としていたように、前作Dead Spaceの照準の違和感もホラー要素を助長させるための演出として活きていたが、今回はそういう制約をとっぱらったことにより普通のアクションTPSに近付いている。今回はホラーよりも爽快感を重視したと考えるべきだろう。

ゲーム性はほとんど変わっていない。敵が近付いてきたら足を切断して、移動速度を落とし、攻撃を仕掛けてきたら腕を切断、ダッシュでやってきた場合はステイシス(一時停止させる能力)をかけて時間を稼ぐという具合だ。ネクロモーフの種類は小走りの子供、家政婦のごとく物陰に隠れて見つめるタイプなどが追加されているが代わり映えはしない。

キネシス(物を掴んで投げる能力)は発動速度や命中率が上がり、圧倒的に使いやすくなった。動かせるオブジェクトの数も前作に比べて増えており、敵にそこらへんのオブジェクトをぶつければ怯ませることもできるし、鉄棒やネクロモーフの爪なら一撃で倒せる場合もある。キネシスはいくらでも使い放題で弾の節約にもなるため、今回は使用頻度が高くなるだろう。手持ち無沙汰な時は物を掴んで投げていれば暇つぶしやストレス解消にもなる。また、前作よりも壊せるオブジェクトが増えたのが嬉しい。ついつい色んなところを壊したくなってしまう。ただし、たまにトラップが仕掛けられている場合もあるのでご注意を。

敵の死体は何かしらのアイテムを持っているため、残虐だが死体破壊は必須。しかし、死体の数には限りがあり、5体以上(それ以下かもしれない)になると初めの死体から消えていってしまう。つまり、敵のラッシュ時に死体を破壊せずに後に残しておくとアイテムを回収できなくなってしまうというわけだ。死体を破壊しつつ、敵に対応するのがDead Space 2のゲーム性といってしまえば聞こえは良いが、これは単に死体の表示数を削ってパフォーマンスアップを図っているだけと思われ、どうせならオプションで死体の数も変更できればよかった。こんなことを言うとサイコパスのようだが、ネクロモーフたちのバラバラ死体の山が見てみたい。

店では武器やアイテムを購入でき、ベンチでは改造ができるのも前作と同じ。エリクサーの使いどころが分からず最後まで使わずに残していくシンドローム、別名「貧乏性」の私は武器や改造のタイミングを掴めず、何も購入していない。唯一、改造したのはステイシスくらいなものだ。私と同じ病気の人は、今回もそのタイミングに悩まされることだろう。

今回も無重力ゾーンは存在するが、スーツにジェットパックが搭載されたことで自由に移動できるようになった。空中をゆらゆらと漂う姿は幻想的で美しく、無重力感が高まる。最近のFPS/TPSで無重力体験が味わえるゲームは少なく、ある意味新鮮だ。その他にも電車の中を滑り落ちたり、逆さ吊りにされたりなど、平衡感覚をファックするアトラクションも健在。

シューティングに磨きがかかり、爽快感はさらに高くなった。新規性はこれといってなく、まさに拡張パック的な内容だが、そもそもDead Spaceにそれ以外のものを求めるのが間違っているだろう。前作同様、ストレス発散にもってこいのシューターだ。