原題:Phantasmat
邦題:ファンタズマ:ダムの底に消えた町
開発会社:Codeminion
クリア時間:3時間50分
ジャンル:アイテム探し、パズル、ストーリー性有り、
ホラー、ミステリー
○気に入った
・不気味で退廃的なCG
・フルボイス
・シーンに合ったBGMとサウンド
・謎が散りばめられたストーリー
・親切機能の充実
・アイテム探しをマッチ3で解決可能
△どうだろう?
・マネキンやガイコツのCGが気色悪い
・行ったり来たりが多い
・オチがありがち
×これはちょっと
・マッチ3の出来がイマイチ
・使い回しのアイテム探しシーン
夜道を走行中に事故を起こし、見知らぬ森で迷子になった主人公は森を進んだ先で寂れたホテルを見つける。ひとまずそのホテルに一泊することに決めるが、ホテルやそこに住む人達、洪水によって沈んだ街には秘密が隠されていた。主人公は真実を見つけ出すために街やホテルを探索する。
物語はミステリーやホラー要素が強く、散りばめられた謎が徐々に解き明かされていく過程が気持ちいい。ホラー要素といってもびっくりさせるようなものはなく、どらかというとおどろおどろしさが強調されている。最後に思わせぶりなメッセージが流れるが話はきちんと完結しており、後味も悪くない。もしかしたらコレクターズエディション版では後日談があるのかもしれない。
ホテルや街以外の場所もあり、マップ数は結構多め。どれも不気味で寂れた雰囲気がよく出ている。また、BGMやサウンドはマップやシーンに応じたものが使われており、臨場感を高める。退廃的なものが好きな人は楽しめるだろう。しかしながら、マネキンのCGは気色が悪く、ジメジメした場所が多いため、そういうのが苦手な人は注意した方がいいかもしれない。
主人公は喋らず、姿を見せない主観タイプとなっている。登場人物はフルボイスで話し、場面によって声色を使い分けており、演技力が高い。登場人物の身体がゆらゆら揺れ、口パクしているのも良い。会話シーンをスキップできたり、リプレイもできるなど、細かいところまで気が配られている。
ゲームシステムはマップをあっちこっち行ったり来たりしながらのアイテム探しとなっている。何かある場所は光り輝いたり、カーソルのアイコンが変化するので分かりやすいが、後半になって使うことになるアイテムや仕掛けが結構あり、忘れたり、見落としたりすると総当りで行ったり来たりをしなければならない。タスクやヒント機能があるが、バッチリなヒントをもらえるとは限らない。
アイテム探しシーンはそれほど意地悪ではないものの、小さなアイテムを見逃すことが多かった。ヒント機能を使うとアイテムの周囲が光り輝き教えてくれたり、ヒント機能は少し待てば再び使えうようになり、アイテム探しが苦手な人でも安心。ほとんどのアイテム探しシーンは同じCGで二度アイテム探しをする必要があり(一枚絵は同じだが探すアイテムが違うパターン)、水増し感は否定できない。
また、アイテム探しをマッチ3(三つのブロックを揃えて消していく落ち物パズル)で解決することも可能で、アイテム探しシーンではいつでもマッチ3モードに切り替えられる。マッチ3モードではアイテムブロックを一番下まで落とすと、アイテムを一つ探したことになる。ブロックを消すたびにヒント機能の充填時間が短くなるボーナスがあり、アイテムブロックをうまく落とすことができなくても、普通のブロックを消しまくってヒント機能でゴリ押しすることもできる。アイテム探しに詰まったとしてもマッチ3で解決できたり、マッチ3でヒント時間を早めたりなど、手持ち無沙汰にならないように工夫されている。しかし、マッチ3は落ちてくるブロックの出が悪くて、手詰まりになることが多く、ボーナスブロックなども無い為、本格的なマッチ3に比べると出来が悪い。
パズルは考えさせるものが多く、少し難易度が高めに感じた。特に神経衰弱のような記憶力が必要なものがあり、これは好き嫌いが分かれるかもしれない。ちなみにパズルのスキップは可能となっている。
難易度はカジュアル、チャレンジ、エクストリームの三つで途中で変更できない。難易度によってヒントの量やペナルティが変わる。実績機能が搭載されていて、ヒント無しでアイテム探しを5つクリアしたり、スキップせずにパズルを12個クリアしたり、開発会社のロゴを見付け出すと実績が解除され、メニュー画面にトロフィーが飾られていく。実績というご褒美によって、アイテム探しやパズル解決へのやる気を高めている。
まとめ
オチはベタではあるものの、ストーリーはしっかり作られており、伏線の張り方も上手い。不気味なCGと謎が見事にマッチしていて、ミステリー好きは楽しめるのではないだろうか。また、アイテム探しにマッチ3を盛り込み、解決方法を複数用意した点は評価したい。
コメント
最初に出会ったもの探しゲーム。不気味でもの悲しい雰囲気と、重く品のある絵に引き込まれた。
その後、様々なゲームを経験したが、この作品を忘れられない。