夜になり、遠くからあの呻き声が聞こえてきた。私は急いで洞窟へと駆け込む。夜は長い。今日は何をして過ごそうか。考えを巡らせていると、この前、鉄鉱石を掘り出したのを思い出した。これを製鉄して道具にしてみたらどうだろう。
まずは石でツルハシの型を作った。そして、次に石でかまどを作り、火を焚く。十分な温度に達したのを確認してから鉄鉱石を入れ、じっくりことこと溶かしていく。鉄がどろどろになったところで型に流し込み、水をかけて急冷する。さらに溶けない程度に焼入れを行い、じんわりと冷やして十分な硬度を得た。木の棒と組み合わせて、鉄製のツルハシの完成だ。
早速、この鉄のツルハシを試したいところだが、無駄使いするのは気が引ける。いまのところは石のツルハシで十分事足りているし、この鉄のツルハシは私にとって道具というより芸術品に近かった。一から自分で作り上げたからだろうか。そんな愛着がいつしか生まれていたのだ。
鉄のツルハシは洞窟の入口に飾り、今日も採掘にとりかかることにしよう。何かに夢中になっていれば恐ろしいことも悲しいこともすべて忘れていられる。
洞窟内に「カーンカーン」と規則的な採掘音だけが響き渡る。下へ下へと掘り進めると、周りの空気が変化したのを感じた。しかも、ここらへんはサウナのように暑く、どんどん汗が吹き出してくる。明らかに異様だ。
さらに掘り進めると溶岩が姿を現した。いつの間にか深層まで進んでいたようだ。この異様な暑さは溶岩のせいだったのか。さすがにここで作業するのは危険だ。少し前の地点へ戻ろうとした時、青色の光に気がつく。
近付いてよく見てみるとそこには青色の鉱物が埋まっていた。これはもしやダイヤの原石ではないか。テレビ番組で見た覚えがある。石のツルハシで取り出そうとしたが、すぐにツルハシの先端が欠けた。これでは埒が開かない。石では強度が足りないのだ。
少し考え込むと、良い案が浮かんだ。今こそ鉄のツルハシの役目ではないか。鉄のツルハシを取りに行き、もう一度溶岩地点へと舞い戻る。ダイヤを発見した興奮と早く掘り出したい焦りで心臓がバクバクと高鳴っているのを感じた。
鉄のツルハシを握り締め、再びダイヤにとりかかる。すると今度はツルハシが欠けることなく、徐々に掘り進めていけた。いつもの何倍もの時間をかけ、ようやくダイヤを取り出すことができた。ダイヤの輝きを見つめていると、その美しさに魅了される。
これでだいぶん時間が経ったはずだ。ダイヤは失わないように木箱にきちんと入れ、洞窟の入口へと向かう。外はすっかり明るくなっていた。
土台に合わせて丸太を組み上げていく。二階建てにする為、階段も作った。もちろん、これも木製だ。そのままでは暗くなってしまうので窓枠を用意して、太陽の光を確保する。
しかし、これでもまだ明かりが足りない。そこで二階部分には天窓を設けることにした。石のかまどに砂を入れ、ガラスを精製する。このガラスを天井にはめ込み、天窓の出来上り。これで昼間はお日様、夜は月の明かりを楽しめるってわけだ。
作業は順調に進み、夕方前にマイホームが完成した。見た目は非常にシンプルで飾りっけはないが、その素朴なところが気に入っている。これからは夜もこの家でゆっくりと過ごせそうだ。
コメント
minecraftでの道具の製造方法は、ブロックやインゴットからの削り出しという大変手間のかかる、しかし美しい方法をとっています
型に流し込んでいるわけではありませんのでご注意を
このプレイ日記はMincecraftが簡略化している部分をもう少し詳細に書くという狙いがあるので脚色している部分はあります。
高炉に入れたものを手加工するのは常識的に無理ですからね。