ドイツ産TRPG「Dark Eye」をベースにしたパーティ制のRPG。以前、ドイツ語版のデモを遊んだ時は好感触だったが、なかなか機会がなくて遊べなかった。今回ようやく重い腰を上げての挑戦となる。
ストーリーは主人公のところへ旧友から助けを求める手紙が届き、主人公はその友人の元へ向かうが・・・という内容。小さな出来事が少しずつ大きな出来事へと発展していくお話となっている。
いまのところ、その都市や村の中だけで解決できるクエストが大半で、ミクロな展開が中心だ。連続殺人事件を解決するためにネコの信頼を獲得したり、飼い主に嫌気が差したクマさんを魔法で強引に説得したり、誤解を受けやすいシーフのおっさんの誤解を解いたり、樽男の悩みを解決したりなどなど。クエスト内容はユーモアに溢れ、ダイアログはとても面白い。そして、パーティメンバーも個性的な面々が揃っている。
ファンタジーRPGのストーリーは世界を救うだの、やれ巨悪をやっつけるだの、大仰な使命を課せられるものだが、このゲームは一介の人間の身の丈に合ったクエストが中心で、そこに新鮮味を感じる。たまには牧歌的な世界で、のんびりと些細な人助けをするのも悪くないものだ。また、演出も抑えられており、過剰な押し付けがましさも与えない。プレイヤー主導で進行できる点は好印象。
ダイアログは一文毎にストップが入り、自分のペースで読める。できればバックログ機能があると、なお良かった。 クエストの内容はクエスト画面にそれぞれ記録され、目的が明確に分かるようになっている。
主人公キャラはプレイヤーが作成できる。クラスは20種類用意されているが、クラスごとにキャラの容姿が固定なのは残念なところ。ちょっとくらいエディットできると嬉しかった。女性キャラは概ね魅力的だが、男性キャラは冴えない人物が多い。
Talent(スキル)は戦闘関係以外にNature(生産)やSocial(交渉)が存在し、ビルドの幅は相当広い。Attributeは8つも用意されているし、Dark Eyeシリーズが初めての人は戸惑うかもしれない。
ただし、TalentやSpellやAttributeの効果はゲーム内で確認できる上、チュートリアルも用意されている。D&D原作のゲームよりも親切丁寧だ。
TRPGを原作にしたゲームの中には「これくらい知ってて当たり前でしょ」と開発者が自己中心的に認識を押し付け、不親切極まりないものがある。私は説明書を読まないと理解できないシステムのゲームは駄目なゲームだと思っているのだが、その点、本作は一見さんでも問題なく遊べるように設計されている。
クエストを達成したり、敵を倒したりすることで経験値を獲得する。経験値は二種類あり、Adventure PointとExperience Pointに分けられる。Adventure Pointがたまることでレベルアップしていく。
Experience PointはTalentやSpellやAttributeを上昇させるのに使用する(他のゲームでいうところのLearning Pointのようなものだ)。Experience Pointはいつでも好きな時に使用できる。どの数値を上昇させるか・・・ビルドが本当に悩ましい(誤用)。
いまのところ、戦闘の難易度は低めに感じる。タンクタイプとキャスタータイプの役割さえ間違えなければキャラクターが死ぬことはない。ちょっと残念に感じたところは「陣形」が細かく設定できないこと。一度、戦闘が始まると、キャスターが前線に突っ込んで行ってしまう。いちいちポーズを掛けて制御するのが面倒だ。AIのパス自体は悪くないが、パーティメンバーの制御に詰めの甘さを感じる。
ファーストインプレッションは以上。正直、かなりハマッている。ゲームの進行度合いは、ようやく導入部が終わった辺り(そこまでで9時間)。連続殺人事件の謎を解き、旧友の家を譲り受け、これから本格的な旅が始まりそうなところだ。
主人公はSpellweaver(エルフ女)にした。理由はタンクタイプだと戦闘がつまらなそうだったから。キャスタータイプだと序盤が不安だったが、ゲーム開始後すぐにアマゾンねーちゃんを仲間にできるので問題はない。それにSpellweaverはねずみ召喚(愛称ねづっち)の魔法を初めから覚えており、こいつを囮にすれば大丈夫だ。
連れていけるメンバーは3人までとなっていて、あとのメンバーは家で待機させることになる。個性豊かな人物揃いなので、誰を連れていこうか悩んでいる。シーフのおっさんはSocial Talentに優れているものの、戦闘能力が微妙だったため、お留守番してもらうことにした。とことで、いまはアマゾンねーちゃん、ドワーフおじさん、長靴を履いた猫っぽいシーフメイジおねーさんというメンバー構成になっている。