Project Zomboid – 死に場所を探すサバイバル(1)

この記事は約4分で読めます。

休日の朝、いつものように目を覚まし、いつものように玄関へ新聞を取りに行く。コーヒーができあがるまで新聞を読んで待つ。これが私の日課だ。

しかし、今日は新聞が届いていなかった。休刊日か。それとも配達になにか問題があったのか。そういえば隣のトーマスさんも同じ新聞を取っていたはずだ。気になった私は隣家を訪ねることにした。

pz1311042

トーマスさん家のチャイムを鳴らすが返事がない。こんな朝早くから外出しているのだろうか。諦めて自宅へ戻ろうとすると、トーマスさんの家から異様な呻き声と物音が聞こえてきた。泥棒か。それともトーマスさんが発作でも起こしたのか。

最悪の事態を想定し、窓から侵入することにした。もし間違いだったとしても彼なら事情を話せば許してくれるだろう。

pz1311043

家の中に居たのは泥棒ではなく、トーマスさんでもなかった。そこには傷だらけの身体に黒ずんだ肌の化物が居た。幸いなことに化物は私には気付かず、ドアに頭を一心不乱にぶつけている。身体が勝手に動き、気付けばトーマスさんの家の前で立ち尽くしていた。一体、何が起こっているのか。私の理解の範囲を超えている。

pz1311049

冷静さを取り戻すために私はいつもの散歩のコースを歩き始めた。ここは閑静な田舎町だから車はめったに通らず、考え事をするのにちょうどいい。

考えはまとまらず、無意味に時間だけが過ぎていく。ふと視線を前に移すと曲がり角に見慣れない女性が立っていた。頭をふらふらと揺らし、普通ではない。注意してよく見ると、あの化物によく似ていることに気付いた。私は後ずさりながらゆっくりと離れていく。いつの間にか冷静になっている自分に驚く。異常が日常へと変わっていく。

pz1311045

曲がり角の先から次々とあの化物が姿を現す。私は道路を夢中で走り出す。足の遅い化物達を撒くことができたが、急に喉が乾いてきた。ここらへんには店もないし、飲み物も持っていない。そこで近くの家を訪ねることにした。

pz1311046

チャイムを鳴らすが案の定、返事はない。トーマスさんの時と同じように窓から侵入する。家の中は荒されておらず、人もいないようだった。台所の蛇口を捻って水をガブガブと飲む。そう言えば朝から何も食べていない。冷蔵庫からトマトとパンを拝借し、腹を満たした。

玄関ではゴルフクラブを見つけた。これがあればやつらに対抗できる。いつの間にか辺りは暗くなっており、出歩ける状態ではなかった。暗闇の中になんていたら頭がどうにかなりそうだ。仕方がないのでここの家へ泊まらせてもらうことにした。寝室の電気を付けたままにしてベッドへ倒れ込む。眠るのにそう時間はかからなかった。

pz13110410

見知らぬ家で朝を迎える。目が覚めたらいつもの日常が始まることをほんの少しだけ期待していたが、そううまくはいかない。今の私にはもっとたくさんの食料や武器が必要だ。物資を求めて他の家も訪ねてみることに決めた。人間だって他にもいるかもしれない。

外へ出た瞬間、化物がこちらを見つけてのろのろと近寄ってくる。だが今の私にはこいつがある。ゴルフクラブを強く握りしめ、化物から離れる。少しでも近寄ってみろ。お前の頭にこいつを叩き込んでやる。

pz13110411

住宅街へ到着し、慣れた動作で家に侵入する。異常に慣れつつある自分が怖い。服とシーツを見つけたのでそれを破ってバンドエイドを作成した。冷蔵庫には鶏肉や野菜が入っている。これは後でオーブンで調理でもしよう。

pz13110412

洗面所へと入り、電気を点けようとしたところ、急に髪を掴まれた。掴んだ手を振りほどき、後ろを振り向くとそこには化物がいた。私はとっさにゴルフクラブを振り下ろし、化物を殴りつけた。その一撃で倒れた化物へ容赦なく二度、三度とゴルフクラブを叩きつけた。

はぁはぁ・・・と息を乱しながら、化物を確認するともう動かなくなっていた。いくら化物だろうと頭を潰せば死ぬようだ。私は血で染まった洗面所を後にした。いつの間にか右腕から出血している事に気付き、先ほど作ったバンドエイドでキツく縛る。急に頭がクラクラしてくる。これは鎮静剤も必要だ。残念ながらその家では薬が見つからなかった。

pz13110413

薬を求めて他の家を探索する。そこら中から化物の呻き声がする。他の家へ行ったらまた襲われるかもしれない。畏怖と恐怖で頭がおかしくなりそうだ。大邸宅の前では化物がパーティ中。いっそのこと私もあの中へ入った方が幸せになれるのかもしれない。

pz13110414

もう何も考えることができず、無意味に街中を走り続ける。一体、私は何をしているのだろう。気付けば周囲に化物はおらず、平和そうな一軒の民家を発見した。とりあえずあそこで休憩しよう。

すると突然、足がもつれた。胸が裂けそうなほど痛い。息ができない。私は地面に倒れこみ、視界がどんどんボヤけてくる。やっと私も彼らの仲間になれるのだ。

pz13110415

コメント

  1. UNKさん無念のゾンビ化

タイトルとURLをコピーしました