ARMA 2: Private Military Company – 傭兵はツライ(1)

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British Armed ForcesはOperation Arrowheadと変わり映えしなさそうだったので、先にPrivate Military Company(PMC)からプレイすることにした。Operation Black Gauntletのキャンペーンでは民間軍事会社IONの社員(傭兵)となって、タキスタンに放棄された核兵器の情報を追うことになる。ARMA 2の追加キャンペーンのEWと構成(キャプションの表示やストーリー重視な点)が似ており、恐らく今回もKarel Moricky氏が深く関わっているのだろう。EWと同様に、良くも悪くもARMAとは異質な部分が目立つ内容となっている。

まず、目を引くのがアクション映画風の大胆なクレジット表示。これがCoDやMoHなら別に不思議ではないが、ARMAで行われると少し違和感がある(別に悪いとは思わない)。このクレジットが視線誘導の役割を持っていて、開発者がプレーヤーに注目してほしい場所に表示されているようだ。

スマートフォンで通信するところは今風であり、民間軍事会社らしい描写と言えるだろうか。正規の軍ではまず考えられない。

色調はミッション毎に異なり、差別化が図られている。ブラックホーク・ダウンからキタノブルーまで変化に富む。ARMA 2やOAやBAFの色調は全編共通だった為、PMCの映像は新鮮味がある。だが、大胆な色調の操作は賛否の分かれるところだろう。

現地の住民とのトラブルが描かれたミッションがあり、こういう地味な舞台裏まで盛り込もうとする姿勢はさすが戦場体験を重視するARMAシリーズといったところ。民間軍事会社をテーマに盛り込んだゲームは数あれど、多かれ少なかれ華やかな表舞台しか描かれることはない。戦場で活動する以上、戦闘以外のトラブルに巻き込まれるのは不思議ではないのだ。

ミッションでは部隊を指揮する場面はほとんどなく、リーダーに付いていくか、あるいは仲間が自動的に付いてくることが大半。アドベンチャーやストラテジー要素は全くなく、ストーリーや銃撃戦重視の展開が占めている。歩兵ミッションが充実しており、アクションゲーム的な展開や戦闘を求めている人にはウケがいいと思われる。

移動シーンなどは極力省かれ、ムービーで話は進んでいく。アクション映画のようにテンポよく進むが、冗長な移動や会話シーンがあってこそARMAという部分もあり、ここらへんも賛否が分かれるところだろう。Operation Black Gauntletはアクション映画的な展開を志向しているように感じられるので、別にムービーで話が進んでも問題はないのだが、画質が粗いのが個人的に気になった。容量削減なのかは知らないが、ブロックノイズが目立つムービーはさすがに問題があるだろう。

AIの操作する車両に乗り、機銃を操作するミッションがあるが、これは冗長すぎる気がした。道なりに進み、敵を発見したら弾をばらまくだけ。この時だけ自動回復が適用されているようで、敵の攻撃をくらってもなかなか死なず、一方的な殺戮が可能だが、ARMAシリーズでこういったライドシューターは望まれているのだろうか。個人的に冗長さとテンポの悪さばかりが目についた。

民間軍事会社をテーマにしたのは興味深いし、実験的な試みが見受けられるが、不出来な部分もある。とはいえ、ARMA 2の可能性を広げようとする姿勢は前向きに評価したいし、DLCにしてはボリュームがありそうだ。EWは意外な展開が用意されていたが、今回はどういった結末を迎えるのか楽しみである。

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