アマゾンプライムで配信中のフィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズ 第四話のクレイジー・ダイアモンドを見た。
人工人間を製造する会社で働くエド。しかし、土砂崩れ問題に腐りやすい食物など、日々の生活に不満を覚えていた。そこへ人工人間のジルが取引を持ち掛けてくる。
カットは美しいし、役者の撮り方もうまい。しかし、結局なにを伝えたいのか。タイトルからいってイギリス人なら共感できる部分があるのか? 住居や食物に消費期限が厳しく設定されている世界で、夫のエドの消費期限も切れたというオチ? 妻に愛想をつかされ、見捨てたジルに裏切られ、人間らしさを実感したということなのか。
原作から逸脱した脚本で色んな要素を入れすぎて、着地点があやふやになっている。シンプルな原作を50分に引き延ばすに当たって色々な要素を入れたらごちゃごちゃしてしまったという典型的なディック映像化作品。ディック原作映画でよくあるやつ。もしかしたら脚本はもっとシンプルで脚本だけ読んだら理解しやすい作品なのかもしれないが凝った映像に設定、意味深なカットに翻弄されて終わる。
Philip K. Dick's Electric Dreams, Season 1
各エピソードは、イギリスやアメリカのクリエイティブな作家陣によって現代風に脚色され、シャープでスリリングな一話完結のドラマになる。