Betaを少し遊んでみた感想。前作は電波気味の物語に頭痛を覚えながらクリアしたことを思い出す。中華系犯罪者が他人のビルに不法侵入し、器物損壊や公務執行妨害を繰り返す、嫌悪感全開のゲームだった。
プロ市民のアホ親がデモに参加して死んだというがそれにも共感ができない。なぜ反体制なのか、大義に欠けた設定で頭が痛い。主人公に感情移入させるなら、反体制を正当化させるなら、まず前提をしっかりやらないとダメなわけで。ディストピアものなのだから1984とか華氏451とかリベリオンとかいくらでも例はあるだろうに。エンタメ系の作りでこれはキツイ。
現世代のテーマやウォーキングシミュレーター的な観点から考えると「管理社会で息苦しいこともあるけど衣食住は保証されてるし、街も綺麗だし、警備員のおっさんは行き過ぎたところもあるけどちゃんと仕事してるし、これはこれでinじゃねーの?」って捻りがある方が今風なのかもしれないと思ったりもする。
今作では刑務所みたいなところから出て、仲間と一緒につるんでまた警備員とかぶっ倒すんだけどやっぱり大義が全然足りなくて、これやべぇなと思った。冒頭でフェイスの過去のビジョンがフラッシュバックするところがあったので、もしかしたら今後もそのへんが仔細になっていく可能性はあるけれどちょっとやった感じでは「やっぱやべぇわコレ」でした。
器物損壊とか公務執行妨害とかやるならそこに説得力が欲しいわけ。この社会はこういう側面があって、その影響で主人公は歪んでこういう価値観になったとか、そういうのがまず欲しいわけ。主人公がたとえサイコパスだったとしてもサイコパスに至る部分がきちんとあれば感情移入できて、気持ち良く遊べるんじゃないと思うわけ。自分の中では。どーでもいい会話はやたらとあるくせにそういうのが全然ないんだわ。ゾット帝国の方がまだ入れると思うわけ。
ゲームプレイとしてはマップ中を自由に動ける場所があって、そこで仲間からサイドミッションをもらって遊ぶことができる。フリーラン的な要素はパルクールと相性がいいかもしれない。
ただ、自分としては爽快感が足りないなぁとやっぱり思った。パルクールは作業的でそこに爽快感がそれほどなくてキツイんだわ。なんだろう。銃でバンバン撃つゲームとかは敵倒すだけである種の快楽性があるんだけどこのゲームにはそれが無いんだなぁ。前作もそういう感じだったわけで。自分で実際にビルの上でパルクールしたら別だと思うんだけどそこまでは落とし込めてないんだよね。前作からパワーアップしてるかなぁと少し期待してみたんだけどこれはキツイ。Origin Accessに来たらやるかもしれないけどこれだと時間の無駄だなぁと思ったぐらいキツかったです。