クリアまで6時間。時間的にみると短い部類だが、敵をやたらとリスポーンさせて水増ししている場所が多いので体感的なボリュームは実際よりも長く感じる。
Mindware Studiosが開発ということで期待値を下げていたのもあるが、個人的にはそれほど悪くない。終わってみると悪い夢から覚めたような爽快感があった。
レベル毎にマップのデザインがガラッと様変わりするため、新鮮な気持ちでプレイできるだろう。ゴシック様式や近未来の建物は見栄えが良く、カッコイイ。
全体的に狭い場所が多く、邪魔なオブジェクトに引っかかることもしばしば。
落下ポイントがある場所ではまともに戦闘に集中できず、フラストレーションが溜まる。
特に嫌らしいと感じたのはForest。狭い一本道に巨大な敵をわんさかと登場させたり、ダメージポイントや落下ポイントがそこかしこに用意されていて行動が制限されてしまう。
おまけにここのボス戦はやっつけ仕事のような出来で達成感もクソもない。
グレネードランチャーはセカンダリが衝撃波。敵を衝撃波で引き離して、そこにグレネードを撃ちこむのが正攻法か。
レーザーガンはセカンダリがおとり効果(草に敵を引き寄せる)になっていてユニーク。邪魔な雑魚を引き付けて、そこをロケランで一掃すると爽快だ。
武器はガトリングガンが一番使い勝手が良かった。ガトリングガンのヘッドショットは強力だし、セカンダリのロケランの威力は強く、爆風も範囲が広い。ただし、他の武器でも戦えないことはない。まったく使いものにならないのは初期武器の超能力くらいだ。
このゲームは武器が二つしか所持できず、弾が無限に用意されているため、武器を使い分けるよりも一つの武器でのりきることが多かった。バランス的に多少の苦労の差はあるが、どの武器でもクリアできるようになっている感じだ。
知らないうちに武器入れ替えポイントに接触してしまい、勝手に武器が入れ替わることが度々あった。武器入れ替えポイントはボス戦によく配置されているのだが、使いたくない武器に切り替わってしまい困る。
敵のデザインは悪趣味の塊。だが、この悪趣味さ加減が作品のテーマ(悪夢)と見事にマッチしており、良い味を醸し出している。素人臭いレベルデザイン(雑な敵の配置、長いリスポーン量、身動きの取りにくい狭い通路、落とし穴多数)もテーマが悪夢だから許せてしまう。
むしろ悪夢だからこそ、これくらいの苦味・雑味・凶悪さがないと物足りない感じだ。もし、このゲームのテーマが悪夢以外の別の何かだったらボロクソに貶しているところだが、今回はテーマと上手く絡んでいるので問題ない。
ただし、難易度自体は低め。死んでも各チェックポイントからやり直しなのでリトライが楽。また、死亡回数2回までは状態を継続したままでチェックポイントからやり直せる。
【まとめ】
悪夢体験をしたい人はマストバイ。 ゲームの中でまで悪夢なんて見たくないという人は買わなくてよろしい。
撃ちまくりスタイルのFPSで爽快感はあるものの、バランスはB級的な雑さがあり、シューティングゲームとしては強くおすすめできない出来。悪夢な世界観を楽しめるか否かに掛かっているゲームである。画像を見て、何か感じた人は買ってもいいじゃなかろうか。