メトロエクソダスの感想

メトロエクソダスをクリアしたので軽めの感想を。

今日はMetro Exodusをクリアしたので感想を言いたいと思います。
結論から言うと、非常に良い。
Metro2033やMetro: Last Lightの不満点が見事に改善されていて、前作が苦手でS.T.A.L.K.E.R.シリーズが好きな人は今作も楽しめるんじゃないかと思います。
この前作、前々作って演出重視でやらされている感が非常に強いゲームだったんですよね。
この世界を探索しているという感覚が希薄で映画を見せられているような感じというか、ずっとチュートリアルをやっているような感覚というか。
自分はそれがすごく苦手だったんですよね。
ここはゴリラ出てきますので逃げて下さいとか、デーモン飛んでくるので機銃で撃って下さいとか、強制的な演出ばかりで没入できなかった。
それが今回はすごく改善されていました。

まず、物語の始めはお馴染みの地下から始まります。またこのパターンか。よく知らないNPCがダラダラと喋って、長い演出を見せられて、辛いなぁと感じました。
RTX2060のおまけでもらったゲームなのでレイトレーシングとDLSSの効果を試したら即インストールしようと決断させる内容でした。
ところが話が進んで地下から脱出して、機関車に乗って外の世界へ仲間と一緒に旅に出てから自由な探索ができるようになるんですね。
初めは雪のヴォルガ川。アンナと一緒に探索して、教会から出るとその一帯は自由に探索できるようになります。
Far Cry 5とか、GTA5とか、そこまでのだだっ広いオープンワールドではありませんがそこそこ広いエリアを色々と見て回れます。
個人的にオープンワールドゲームも苦手で、横にだだっ広いだけで密度が薄くて探索要素の薄いものって合わないんですよ。
でも今作はそのエリアの中に色々なロケーションがあって、探索が非常に楽しい。
ワクワクさせる作り込みがなされています。
それでメインミッションの地点まで行くと演出強めの探索が始まるパターンになるんですね。
自由な探索を楽しみつつ、自分で好きなタイミングでミッションに入れる。
このバランスが今回はとても良くなっていて、没入感も段違いに上がりました。

キャラクターの描き方も今作は違います。
自由な探索中に仲間に話しかけるとそのキャラクターは色々な話を聞かせてくれます。
別に話す必要はないんですよ。
でも、その話を聞いてるとその人の人となりは分かるし、愛着や親近感も湧いてくるし、実在感も感じられるようになってくる。
話すかどうかはプレイヤーに任せるという形を取ったのが功を奏していると思いました。
多分、これを強制的に聞かされていたら私はウンザリしていたと思います。
でも、そこは選択ができて、話すかどうか、最後まで聞くかどうか、ちゃんと選べるのが良い。

声優さんも有名なベテランを起用されているので一流の海外ドラマを見ているような感覚で見れます。
アルチョム役のてらそままさきさん、アンナ役の田中敦子さんも良かったんですがミラー役の間宮康弘さん。
これがもうすごい。ロシア語版とはまた違った雰囲気なんですが父親、上官としての存在感、説得力がすごすぎるですよ。
間宮さんは37歳らしいんですけど、この演技をできるのはすごいなとただただ感心しました。

仲間と話すとサブミッションをくれるキャラもいたりして、「アルチョムおじさん。無くしたクマのぬいぐるみを探してほしいの」とか、「ギターを探してきて欲しい」とか依頼されるんですよね。
これも別にやる必要はないし、やっても経験値もお金ももらえないんですけど、それに見合う報酬が用意されています。
その報酬が演出ですね。例えば女の子にクマのぬいぐるみを渡すと後日、出会った時に大事そうにぬいぐるみを抱いて、お人形さん遊びしてる様子が見れますし、ギターを探してくるとセッションができるようになります。
まさにプライスレスですよね。なになにを探したからお金ゲットや経験値ゲットとか、利益主義になっていないのが斬新だなと。
今まで自分にも拝金主義的なところもあったなと反省する部分もありました。
気持ちの報酬だけでも十分満足感が得られるというか、むしろこっちの方がやりがいを感じられるなと。
このゲームではプレイヤーに対するご褒美がそういう風にきちんと考えられて用意されています。

ただ、その一方で少し納得いかないのがカルマに応じて仲間の安否が変わるところですね。
これは良し悪しもあるんですが全く関係のない因果が仲間の運命を左右する。
プレイヤーがなにかヘマをして仲間がどうかなるならまだ理解できるんです。
時間内に強敵を倒せなかったからどうこうとか。
そういうのが関係なしにどうかなるケースがあったりします。
良いこと、悪いことの判断基準が前時代的な考え方でちょっとどうかなという部分がありました。
特にとあるステージではカルマによって遊び方がものすごく縛られています。
カルマの扱いについてはシリーズ通して改善が見られませんでした。

ただ、初めはメトロを脱出して安住の地を探すという旅だったのがそれぞれが夢や目的を見つけたりして、出会い、別れがあるのがすごく良かった。
季節も冬から始まって夏、秋、冬とワンシーズンが流れる。
仲間と一緒に旅をする。その体験はしっかりと描かれていて、まさに三部作の集大成に相応しい物語に仕上がっていて感動しました。

ゲームシステムは素材を集めて、その素材で消耗品をいつでも作れるようになったり、拾ったアタッチメントをすぐに交換できるのが従来とは違う要素ですかね。
他のクラフト系のゲームとは違ってかなり簡略化されていますし、シンプルな作りです。
素材は大量に手に入りますし、ノーマルなら詰む危険性がかなり低いバランスでした。

グラフィックはレイトレーシングに対応してるのが特色としてはありますね。
影はオブジェクトの接地部分の影がかなり自然に描写されています。
ただ、暗くなりすぎな部分もあったりして、調整がどうなのかなと思う部分もありました。
残念ながら反射に対応していません。
水面が多いのでレイトレーシングによる反射が見たかったですね。
スクリーンスペースリフレクションの精度はかなり高いんですが自分の姿が水面に映ったりしているのを見たかった。
オブジェクトの配置や建物の作りも丁寧な仕事でしっかりと没入させてくれます。
ただ、テクスチャの精度に結構なバラツキがあり、高精細なオブジェクトと荒々しいオブジェクトが並んでいたり、写真をそのまま貼り付けたような物理ベースになっていないように感じられるテクスチャもあったりするのが気になりました。
しかし、全体的な雰囲気作りはとても良くできていて、没入感の高い空間作りができていると言えます。
キャラクターはシリーズを重ねる毎に改良されており、2033ではお人形さんのようだったキャラクターもフォトリアルに近づきました。アンナは東欧系の美人で本当に美しく、ダニールのアジア感も必見です。

というわけでお馴染みの個人的な三つの軸で評価してみます。
・価格と内容 / 価格と内容が合っているか
値段はスタンダードエディションが7799円。DLC付きのゴールドエディションが11050円。
時間的なボリュームは二十時間近くあり、自由な探索からリニアなミッションまで色々なゲームプレイがミックスされています。演出も翻訳の質も声優の演技もどれもレベルが高く、特に三部作の集大成に相応しい感動的なエンディングが用意されています。他のAAAタイトルと比べても特に満足感の高い内容でしょう。ただし、アメリカ59ドルに対し、日本は7799円。PCゲームの値段の基準で言えばやや高いのではないかと感じる部分もあります。

・影響・賞味期限 / 独自性、他に与える影響、時間が経っても遊べるか
キャラクターの描き方は今までのFPSの中でもトップクラスにうまく描けていると思います。他のFPSではゲームデザインとの兼ね合いでうまくいっていなかった部分、思い切り滑っている部分が今作ではうまく表現されていました。他のメーカーも参考にして欲しい部分だと感じます。
仲間、家族、夢、新天地と普遍的なテーマが描かれており、時間が経っても通用する内容です。今後、世界情勢が危うくなればさらに現実味が増す世界観ともいえます。

・快適性 / 遊びやすさ、不具合
ロードが非常に長く、HDDでは初回ロードに2分近くかかります。ヴォルガ川やカスピ海は一度ロードしてしまえばクイックロードは数秒なんですがここまで初回ロードに時間がかかるものは久しぶりでした。ストリーミングロードなどを駆使して、ロード時間の短縮をして欲しかった部分です。
オブジェクトに引っかかって出られなくなったことが4度ほどあり、私が細かいところまで探索しようとしたせいでもあるんですが引っかかったり、登れない高さの岩が結構あるのもストレスを感じる部分でした。

総評として、三部作の集大成であり、自由な探索とリニアなミッションのバランスが良く、キャラクターの描き方も優れており、感動的な内容に仕上がっています。値段は8000円近くでやや高いのがネックですが個人的にはとてもおすすめできる内容です。特にゲームデザインがこれまでのシリーズとは違う自由な部分が追加されているので今までが合わなかった人にもおすすめできます。ただ、ストーリーは続きものであり、前の内容を知っていた方がより深い感動や満足感が得られるのは確実なので物語を楽しみたいという方は三部作全部をやった方がいいでしょう。前作が大嫌いなアンクさんでも楽しめたのでおすすめです!

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