PCに移植されたkiller7をプレイ開始。PS2版及びGC版は未プレイ。グラスホッパー・マニファクチュアのゲームはKILLER IS DEADしかプレイしたことがない。
物語は多数の人格を持った殺し屋と自爆テロ組織の戦いとなる。目的は分かるのだが会話の内容は分かるようで分からない煙に巻くような表現が多い。ジョークや悪乗りに溢れており、ツッコミ役が不在なのでこのノリについていけるかどうかが本作のポイント。
キャラクターはアメコミ風の三階調、背景は浮世絵のようなグラデーションによって表現されており、今見ても色あせていない。操作中もムービーシーンも目まぐるしくカットが変わり、見せ方も飽きさせない工夫が凝らされている。
移動は前進のみ。定められた道、レールの上しか歩けず、横移動などはできない。来た道を戻る時は一度ターンしてから前進して戻る。分岐点や部屋の前に行くと曲がるか、部屋に入るかどうかの選択肢が表示されるという形式。
道中には笑う顔という敵が登場し、笑い声が近くにいる合図。笑う顔は透明化されており、スキャンしなければ実体は見えない。主観視点モードに入り、スキャンして弱点を狙い撃つという戦闘になっている。主観視点中は移動ができない為、笑う顔を的確に狙って急いで倒す必要がある。
普段の移動中は定点カメラ視点というのもあり、目の前に笑う顔がいるのに気付かず、ドカンということもあったりする。笑い声や足音に注意を凝らし、なにか聞こえたら武器を構え、敵を見つけ次第、弱点を狙い撃つという戦闘は独特の緊張感がある。武器を構えている状態では後ろへ逃げられない仕様がうまく効いており、弾を外した時の焦りが楽しい。
他の人格にはいつでも変更可能でそれぞれ武器が異なるので笑う顔のタイプによって使い分けるのが最適。狙撃が得意だがリロードが長いキャラ、威力は弱いが連射が可能なキャラ、一撃が強いが毎回リロードが必要なキャラなど、キャラクターの差別化もしっかりなされている。
笑う顔は色んな種類が用意されており、ゲームを進めると新しいタイプが続々と登場してくる。「同じタイプばかりだと飽きそうだな」と思ったが意外に種類が多く、色んな組み合わせで攻めてくる。
会話はかなり多く、そこら中にヒントをくれるキャラが配置されている。この会話も本作の魅力の一つ。シューターやアクションゲームというよりかは戦闘要素のあるアドベンチャーの趣が強い。
昔から変わったゲームだなと思ってはいたが実際にプレイすると想像よりも変わったゲームだった。ダイアログ、文字、視点、ボス戦など見せ方に強いこだわりを感じるゲームで、他のゲームではないがしろにされているようなところに工夫が凝らされているのが面白いという印象。