アマゾンプライムで配信中のフィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズ 第五話のフード・メーカーを見た。
人の心が読め、テレパシーを持つ能力者ティープたちによって監視される世界。犯罪的思考を持った予備軍たちは警察によって逮捕されていく。ティープたちはその化け物じみた能力を恐れられ、政府からはモノとして扱われていた。ある時、フードを被った犯罪者が現れるがティープはその人間の心を読むことができなかった。その不気味なフードが徐々に一般人の手に渡り始めて……。
これは面白い。原作の設定を引き継ぎつつも独自の展開で終わりを見せる。飯田譲治のナイトヘッドの一遍のような話だ。
心が読まれる恐怖、なんでも心が読めてしまう恐怖。超能力者と一般人の視点を同時に描き、「盲目的に人を信頼できるか?」という普遍的なテーマが語られる。人には表裏があり、言っていることと心で思っていることは違うかもしれない。どれを信じるかはその人次第であり、なまじ心が読めてしまうのも不幸なものだ。
雰囲気はよく出ているし、フードの描写が不気味で物語展開も早く、面白く見ることができた。