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Zeno Clash 感想

  • 2016-02-02 (火) 18:23

Zeno ClashはDoomのWAD「ZanZan」Quake 3のMOD「The Dark Conjunction」を製作したACE Teamによる商業デビュー作。Zenozoikという主観視点のRPGを途中で断念し、仕切りなおしたのが本作となる。

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個性豊かな動物たちが暮らす奇妙な世界

Zeno Clashの世界では動物たちは言葉を話し、種別の分け隔てはなく、暮らしている。主人公のGhatはFarther-Motherという雌雄同体のような動物の子供であり、大所帯な家族と生活していた。しかし、ある時、GhatはFarther-Motherの正体に気付き、親であるFarther-Motherを手に掛けることを決意する。殺害は成功したものの親殺しとして兄弟から追われるハメになってしまう。物語はGhatがなぜ親を殺す必要があったのかを遡っていくと同時に兄弟からの逃避行が描かれ、やがてその真実が明かされるという流れだ。

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Farther-Motherの謎はヨーロッパではよくある民話(ネタバレ注意)の一つのようだ。チリの開発者がヨーロッパの民話を取り入れたことが少し意外である。実際のところ、Farther-Motherが何であるかはどうでもよく、むしろそれを知った家族や兄弟はそれをどのように受け止め、生きていくかが話の焦点といっていいだろう。真実を知ってなおFarther-Motherを親として受け入れられるか、兄弟を兄弟として想えるか、これがなかなか深い話になっている。

現実世界では同じ人間でもいろいろな考え方を持った人が生きている。Zenozoikで暮らす言葉を話す動物たちはそれを分かりやすく比喩したものといっていいかもしれない。Farther-Motherという親の下で姿形の違う兄弟が寄り添って生きている姿は血縁を超えたものを感じさせる。奇妙なアートや格闘に目が行きがちだが物語自体もこういうゲームでは珍しいものに仕上がっているのではないだろうか。

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もう一歩の格闘戦と垢抜けないゲームデザイン

主観視点での格闘はそのプレイしづらさゆえ、これまでメインになることはなかったが本作では大胆にも格闘に比重が置かれている。ジャブやフック、ブロックやカウンターを駆使し、立ち回りを考えながら戦わなければならない格闘戦の作りはまとも。基本的な部分はよくできているといえるが応用が効かず、始めこそ目新しいが同じような殴り合いに終始してしまう。色々な敵が登場するものの、パターンとしては限られていて、同じような展開になってしまうのが残念なところだ。また後半は同じ敵とばかり何回も戦うシーンがあり、ウンザリさせられる。

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格闘を重視していると書いたが、銃も一応登場する。銃を持っている状態で攻撃を受けると地面に落としてしまう為、距離を取って逃げ回りつつ銃撃しなければならない戦いは新鮮だ。銃の弾薬は無制限であり、上手く立ち回りながらリロードすれば一方的に銃撃が可能。FPSに慣れている人にとってはこちらの方が戦いやすいだろう。

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イベントで銃で戦うシーンがあるのだがこれは退屈。湧いてくる砂漠の民を延々と撃つだけで単調極まりない。雰囲気やシチュエーションなどアート面は大変優れているが、ゲームデザインへの落とし込みは未熟と言わざるを得ない。

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強烈な世界と心温まる物語

格闘は基礎部分はしっかりできているものの底が浅く、長時間のプレイに耐えるものではない。イベント戦も作業的で優れているとはいえない。だが、このシュールな世界観と個性的なキャラクターたちは本作独特のものであり、それによって紡がれる物語では心の温まる家族の絆が描かれている。画像を見て何か感じるものがあったらプレイしてみて欲しい作品である。

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