OVERKILL’s The Walking Dead 感想 – 本当に怖いのはゾンビより人間

OVERKILL’s The Walking DeadはPaydayシリーズで有名なOVERKILLが製作している。人気ドラマ「ウォーキングデッド」を原作にしたCOOP FPS。原作と言ってもドラマとは関連の無いオリジナルなので見ていなくても問題はない。そもそも物語に重点を置いた作品ではなく、ゲームプレイ及び協力プレイこそが本質と言っていい。

価格と内容 – 価格と内容が合っているか

ミッションの流れはマップ内を探索して物資や弾を拾い、物資でクラフトアイテム(フラッシュバン・火炎瓶・地雷・スモーク・メディキットなど)を作って適切な場所で使用し、鍵や解除コードを見つけて障害を取り除き、脱出地点へと向かう形になり、1ミッションは20~40分程度が必要になる。最大4人でチームを組んで行動可能。キャンペーンのミッションは全部で10つ。そのうち4つは拠点の防衛ミッションになる為、実質的には6つが起伏に富んだ展開のミッションだ。

本作の価格は約6000円であり、「6つしかまともなミッションが無いのはどうなのだろう?」と思う人もいるかもしれない。その6つのミッションはロケーションや目的がそれぞれ異なり、良く練られたレベルデザインだ。キャラクターのレベル上げや銃及びアタッチメント集めの為に4つの難易度を繰り返し遊べる内容で、20~30時間遊んでようやく一通り堪能したと言える。レベルやアイテム集めがなく、ミッションの内容も単調ならば確かにボリューム不足、遊び甲斐がないと感じるかもしれない。

しかし、本作にはレベルやアイテムを集めて強くなり、より高い難易度に挑戦し、ミッションの流れを把握してスムーズに目的をクリアする楽しみがある。この感想を書いている時点で私は70時間遊んでいるがまだすべてのキャラが育ち切っておらず、まだまだ遊べそうという段階である。時間的なボリュームで言えば十分に価格以上の内容だ。

また、今後の無料アップデート「シーズン2」が予定されており、何個かミッションを追加すると言われている。それが防衛ミッションのようなものなら失望するが本編同様のミッションであることを期待したい。6000円で6つは高いと思うならシーズン2が出てくるのを待つのもアリだろう。

プレイキャラクターは計4人(隠しキャラ1人)使用できる。それぞれ得意な武器や使えるアビリティが異なり、各キャラ毎にレベルやスキルツリーが用意されている。レベルの上限は30、上限に達すればすべてのスキルを取得できるので便利そうなものから取得していけば問題はない。

影響・賞味期限 – 独自性、他に与える影響、時間が経っても遊べるか

プレイヤーの敵となるのはもちろんゾンビ(作中ではウォーカーと呼称)だ。弾薬が無駄になるので銃はなるべく撃たず、近接武器で叩いて倒していくことになる。No More Room in HellContagionを思い浮かべてもらえば分かりやすいだろう。基本的に地味な殴り合いの場面が多く、ゾンビ相手にバンバン撃つようなゲームではない。そういう人の為に弾薬補給可能な防衛ミッションが用意されているがそれが主ではない。

本作の特徴の一つにホードメーターというものがある。これは騒音を立てると上昇していく。騒音の条件はサイレンサーを付けずに発砲したり、車の盗難警報器を鳴らす、ブービートラップに引っかかりスピーカーから音楽が流れるなどだ。メーターは3段階あり、1段階上がるとゾンビが増殖する。スムーズに進みたいのならホードメーターは低めに抑え、慎重に行動した方がいいだろう。慣れているプレイヤー同士ならホードメーターもあまり関係は無いのだがレベルの低いうちはステルスを心掛けた方が事故死は起きにくい。

とは言うものの、低レベルのサイレンサーは十数発撃つと壊れる為、初めの内はステルスを維持するのは難しい。敵対組織の存在も厄介で発見されると騒音などお構いなしにバンバン撃ってくる。相手の銃声でもホードメーターは上がっていく為、ゾンビを片付けながらも武装している敵も相手しなければならないという混沌とした状況が作り出される形だ。ゾンビだけでは単調だったかもしれない内容に一要素を足すことで緊張感の高い戦いに発展させている。

Paydayではステルスに失敗するとアサルトモードに移行してしまったが本作では一つの区間でステルスに失敗したとしても後はまたステルスで行動できる可能性がある。失敗した代償がホードメーターの上昇に繋がっており、一つのミッションの中に何度かの挑戦が用意され、ゲームの流れに起伏を持たせている。

ただし、場を大きく乱すような要素、Left 4 Deadで言えばラッシュや特殊感染者などのランダム要素が少なく、ルールを理解してない野良プレイヤーが暴れまくるようなことが無いと同じような戦いに収束しがちである。他のプレイヤーに場をかき回され、ヒイヒイ言いながらもクリアした時の達成感はそれはそれで高いし、ランダムな要素を楽しむというよりは理想とする最適化プレイを目指す方向性のゲームデザインと思った方がいいだろう。

本作ではゾンビに殴られてダメージを負うということがなく、ダメージを受けるのはゾンビに掴まれた時である。ゾンビに掴まれたとしても左クリック連打で刺殺すれば体力ゲージは回復する。ただし、複数ゾンビに掴まれるとダウン状態になってしまう為、右クリックで振りほどく必要がある。振りほどいた場合はダメージが確定で入る。ゾンビに掴まれたら身動きはできなくなる為、周りの状況をしっかり把握しながらの立ち回りが要求される。

掴まれたとしてもダメージを受けない可能性があるが判断をミスるとダウン状態に持っていかれるという攻防は本作独自の要素であり、ゾンビとの戦いに一定の緊張感を持たせている。

上記をまとめて言えることは失敗した時の原因、因果関係がはっきりしており、リカバリーできるところだ。プレイヤーが死んだとしても数分で復活が可能でそこまで重くはない。失敗した時に即興でどう対処するかがチームの命運を分けることになる。

快適性 – 遊びやすさ、不具合

初めのミッションは拠点を防衛する内容でここでクラフトの仕方は学べる。次のミッション「Hell or High Water」からようやく本格的なキャンペーンミッションとなる。しかし、問題点としてまともなストーリーのあるミッションでのイロハがここでは説明されない点だ。チュートリアルの動画はあるものの身に付くようなものではなく、実際にプレイさせながらどういう風に振舞って欲しいのかをゲーム側が説明する義務があるだろう。

初見でHell or High Waterに挑んだ時は「なんだこれは…」と困惑するプレイヤーが多いだろうし、実際にSteamのレビューでは1時間程度しか遊んでいないプレイヤーからは酷評される結果に至っている。開発側は自分たちで作っているのだから遊び方を知っているだろうがそれを知らないプレイヤーのことを考慮していない。現状は小1時間プレイした程度では本質は伝わらず、それでも遊び続けてようやく面白さが分かってくる状態だ。右も左も分からないプレイヤーにも理解できるような丁寧なチュートリアルを用意すべきである。

まとめ

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