Fort Zombie 感想

この記事は約10分で読めます。

Fort Zombieはゾンビによって支配された街に砦を築き、生存者と力を合わせて地獄の2週間を生き延びるサバイバルアクションRPG。ロメロ映画のようなサバイバル体験が楽しめる待望のゾンビゲームだ。

主人公はベン・ライリーという青年。名前の変更や容姿の変更はできない。ただし、アトリビュートやスキル、職業はプレイヤーが自由に選択できる。アトリビュートは5つ、職業は9種類、スキルは18種類用意されており、どういう組み合わせにするかでプレイスタイルが大きく変わる。

職業は医者,救命士,軍人,警官,工事作業者,受刑者,トラック運転手,レポーター,学生と幅広く、職業によってアトリビュートや習得スキルが異なる。アトリビュートやスキル値の調整は少しだけ可能だが、すでに習得しているスキルを消すことはできず、完全に自由な振り分けはできないため、ある程度の妥協が必要だ。スキルは使用頻度に応じて一晩寝た後に上昇し、RPG的な成長要素がある。初めは低かったスキルも使用頻度に応じて、使えるようになる可能性はあるが、上昇率はあまり高くないため、初期値が何よりも重要といえる。

アトリビュート一覧

アトリビュート名 効果 影響スキル
Smarts 知性や習熟 Carpentry, Electrical, First Aid, Mechanical, Medicine, Metal-Working, Scout, Spot
Power 意志と気力。腐敗への耐性 Interaction
Speed 足の速さ なし
Finesse 器用さ Assault Weapons, Blades, Clubs, Hand to Hand, Pistol, Rifle, Lock Pick, Sneak
Toughness 力強さ。防御力とスタミナに影響 なし

探索の際は主人公が先陣をきって行うことになるので戦闘系のスキルは必須といえるだろう。近接戦闘はいくらでも攻撃できるのがメリットだが、ダメージを受ける可能性が高いので上級者向け。銃スキルは二種類くらい覚えておいた方が心強い。初心者におすすめな職業は軍人や警官で、銃は弾薬の入手がしやすいPistolが良い。Finesse、スキル共に35以上あれば高確率で命中する。生産や支援スキルはNPCに任せられるので二の次でも構わないだろう。もちろん、これはあくまでおすすめで、どれを選択するかはプレイヤー次第だ。

覚えておいた方がいいんじゃない?
Assault Weapons, Pistol, Rifle, Submachine Guns, Scout, Interaction, Sneak, Spot, First Aid
NPCに任せればいいんじゃない?
Carpentry, Electrical, Medicine, Metal-Working, Mechanical
余裕があれば・・・
Blades, Clubs, Hand to Hand, Lock Pick

スキル一覧

スキル名 対象・効果 ベースアトリビュート 
Assault Weapons M-16, M-4, AK-47, Tommy Gun Finesse
Blades Katana, Axe, Broadsword Finesse
Clubs shovels, baseball bats, crowbars Finesse
Hand to Hand Fists Finesse
Pistol .38 Detective, .38 Service, Python, Desert Eagle, 9mm Beretta SA Finesse
Rifle Lee-Enfield, M1 Garand Rifles Finesse
Submachine Guns Thompson, Mac-10, Uzi Finesse
Carpentry 木材に関連したバリケードとトラップの製作に影響 Smarts
Electrical 電気に関連したトラップの製作と発電機の維持に影響 Smarts
Interaction 生存者を説得し、仲間に加える Power
First Aid 応急処置。軽傷の回復 Smarts
Lock Pick 解錠。扉の鍵を開ける Finesse
Mechanical 機械仕掛けのトラップと発電機の維持に影響 Smarts
Medicine 重症の回復。First Aidよりも回復率が高い Smarts
Metal-Working 頑丈なバリケードとトラップの製作に影響 Smarts
Scout 移動時間の短縮とゾンビエンカウントに影響 Smarts
Sneak 隠密行動。高いほどゾンビに気付かれにくくなる Finesse
Spot アイテムの発見に影響 Smarts

銃のスキルは細分化されており、Assault Weapons(アンブレラスキル)の中にはM-16,M-4,AK-47,Tommy Gun(スタンダードスキル)が含まれている。生産スキルはスタンダードスキルしかない。行動の正確さはアトリビュートとスキル値の合計で算出される。

生産の場合
スタンダードスキル + アトリビュート = 正確さ

MetalWorking 35 + Smarts 20 = 55 %

銃撃の場合
スタンダードスキル + アンブレラスキル + アトリビュート = 正確さ

Tommy Gun 12 + Assault Weapon 25 + Finesse 20 = 57 %

近接攻撃の場合
近接攻撃だけは例外で、たとえばBladeスキルが32だった場合、35%が命中率となり(この計算がよくわからない)、スキル値の半分の16%が回避率となる。

左クリックで攻撃、右クリックが視点移動となっており、移動しながら視点をクルクルと回転することができ、周りの状況がいつでも見渡せる。なお、客観視点のみで主観視点にはできない。

攻撃は上記の計算で判定され、外見的に当たっていたとしてもミスになることがあり、銃のスキルが低いとあさっての方向に弾が飛んでいく。しかし、スキルが高ければ一撃必中で仕留めることができる。最新パッチでは銃の射程距離がS,M,Lで示され、距離感が分かりやすくなった。もちろん、距離が短いほうが命中率は高くなり、弾を無駄に使いたくないのならS距離まで近付いて銃撃するのがベストだが、攻撃される危険性も高くなってしまう。

移動は歩き、小走り、全速力の三種類がある。小走りと全速力はスタミナを消費し、スタミナがゼロになると半分あたりまで回復しないと走ることができなくなる。そのため残量には注意しなければならない。なお、スタミナは立ち止まるか、歩きの状態なら回復していく。Toughnessの高さにもよるがスタミナは減りやすく、気が付いたら底をついていて、ゾンビにリンチされそうになることもしばしば。全速力で走りながらジャンプすると飛び込み前転になり、窓を突き破って建物の中に入る時に役立つ。

敵の種類は大まかに分類すると、歩きゾンビ、ランニングゾンビ、アメフトゾンビ、銃ゾンビの4つ。ランニングゾンビは小走りと同じ速さで移動し、厄介な存在だ。アメフトゾンビはタックルをかましてくるが、溜め時間が長いので避けやすい。銃ゾンビは移動は遅いものの一撃のダメージが非常に高く、ゴッソリと体力を失う可能性があり、見かけたらなるべく避けるようにした方が無難だ。

ゾンビは人間を見つけると障害物を乗り越え、窓や扉は破壊しながら一心不乱に追いかける。しかし、見失うと「Arrrrr?」と言いながら持ち場へと戻る習性があり、これを利用して障害物や曲がり角でまくことも可能だ。前述したようにスタミナが減りやすい仕様のため、隠れることが重要な戦術の一部となっている。また、ゾンビを倒しても何も得られないので、隠れることで無駄な弾や体力の消費が抑えられるというわけだ。大量のゾンビに追われ、ちょっとした障害物に身を潜めて難を逃れる光景はまさにゾンビ映画さながら。

このゲームのゾンビは脅威であり、ゾンビゲームに不足しがちな追い詰められていく恐怖感や緊迫感が保たれている。ただし、最新パッチが当たってからゾンビの数が全体的に減っており、初期の厳しいバランスは和らいでいる感じだ。ゲームオプションに難易度設定が用意されていないのが残念なところ。ちなみに怖いのが苦手な人向けにデカアタマモードやキャプテン翼モードが用意されている(余計コワイ?)。

基本的にアイテムは棚や冷蔵庫などのオブジェクトの中に隠されており、一見して分からない。Fキーを押すと周囲をサーチでき、何か見つかるとそのオブジェクトに「!マーク」が点灯して、インベントリを開けるようになっている。サーチには数秒を要するため、周囲に敵がいる時は非常に焦る。しかし、たまに「!マーク」が出ると宝箱を発見したように嬉しい。このサーチシステムは探索者の心境を味わえる、いいアイデアだ。

砦は警察署、刑務所、学校の中から選ぶことができる。初めに砦はゾンビに占領されており、ゾンビを殲滅するところから始まる。そして、以降はそこを拠点にして暮らす。砦にはトラップやバリケードを仕掛けることができ、二週間後のゾンビの大群に備えなければならない。トラップやバリケードを仕掛けるとSuvivors画面でタスクを割り当てられるようになる。

生存者を発見し、出口まで一緒に行くと砦に住むようになる。生前者が増えると食事量も増えるため、食料と相談する必要があるだろう。生存者には護衛として一緒に付いて来てもらったり、バリケードの製作をしてもらったり、回復を頼んだりできる。それぞれ得意なスキルが異なるので、作業者は工事、看護師は回復という風に適役を与えるのがベスト。工作が得意な生存者が多ければ多いほど砦の構築は捗り、回復が得意な人がいれば体力満タンの状態でミッションに挑むことができる。生存者を増やせばそれだけの見返りが用意されており、だからこそみんなで協力してこの事態を乗り切ろう!という気にさせるのだ。

一日毎にマップに物資・弾薬・生存者のミッションがランダムで表示される。遠距離のミッションに行く為には相応の時間が必要で、あまりにも遠いとそれだけで一日が終わってしまうこともある(時間が遅いので他のミッションへは行けないというメッセージが出る)。そのためいくつもミッションが見つかった場合は近距離のミッションを複数こなすか、それとも遠距離ミッションを一つこなすかなど、取捨選択しなければならない。また、移動中にゾンビエンカウントという逃走イベントが発生し、邪魔をされる時がある。Scoutのスキルが高いと移動時間を短縮でき、ゾンビエンカウントの発生率が減少するため、これは意外に重要なスキルといえるだろう。

ミッションには生存者を連れて行くことができる。生存者には「付いて来い」「逃走地点へ逃げろ」「近距離/中距離/遠距離で戦え!」と大まかな命令しかできない。生存者は好戦的でやたらとゾンビと戦おうとする癖があり、運が悪いとたまに壁にスタックしたりもする。ただし、銃や近接戦闘が得意な生存者は一撃でゾンビを葬るほどで、非常に心強い存在なのは確かだ。また、アイテムを持たせることもできるので、一人では持ちきれない場合も助かる。AIの動きがお粗末というデメリットはあるが、その分メリットもしっかりある。

街並みはミッション毎にランダム生成される。建物のバリエーションはあまり多くないため、外見は代わり映えしないが、建物の配置が毎回違うので飽きない。ほとんどの建物には侵入でき、探索欲をくすぐる。ただ、リアルタイムに時間が経過していくため、ゆっくりとはしていられない。

グラフィックのクオリティが低いのは開発が小さな会社だから仕方ないとしても、パフォーマンスも悪い。ゾンビの人数が増えると、最新スペックでもかなり重くなる。また、HDRをオンにしているとたまに真っ暗になって何も見えなくなることがあるが、これはHDRを一度オフにすれば直る。

最終日はゾンビの大群が砦へ押し寄せ、ゾンビ対生存者の熱い戦いが楽しめる。このミッションには生存者全員が参加することになり、彼らとの協力が欠かせない。ゾンビたちを殲滅できれば念願のゲームクリアだ。

いくつかの欠点はあるもののそれを覆す魅力に溢れたゾンビゲーム。ゾンビファンならプレイする価値アリ!

ミッションのほどよい緊張感、仲間との共闘、砦の強化。ゾンビファンとしては、こんなの待っていた!と思わず言いたくなる内容に仕上がっている。いままでゾンビゲームは数多くプレイしてきたが、ようやく理想とするゾンビゲームに近いものが現れた。キャラクターのビルドやミッション選択の自由度は高く、何度もリプレイして遊べるだろう。

・Fort Zombieのプレイ日記 2011月1月28日~2月7日

コメント

  1. このブログを読ませていただき、fort zombie購入しました。
    今、警察署にたどり着いて殺されたところです。

    署内では物陰に隠れてもゾンビたちが迷わずこちらにやってくる感じですね。
    外のゾンビは1対2くらいならバールで一方的に倒せていたのですが、
    警察署ではスタミナ回復するまもなくゾンビが押し寄せてくる感じです。
    やはり銃で戦った方がいいのでしょうか。

  2. 自己解決しました。
    やはり、署内ではゾンビがまっしぐらにやってきますが、

    署外に出て距離をとれば諦めて帰っって行く

    1、2匹ずつおびき出して撲殺。

    銃を持つゾンビは物陰から、ダッシュで一気に距離を詰めて撲殺。

    二日目も、同様の手順で出会うゾンビはバールで皆殺しにしています。
    時間がかかってしまうのがまずいかもしれません。

タイトルとURLをコピーしました