The Darkness 感想

同名アメコミを原作にしたFPS。開発はリディックのStarbreeze Studiosが行っている。ストーリーはマフィアの一員であるジャッキーがボスのポーリーに裏切られ、マフィアや警察に狙われることになる。追い詰められたところで「ダークネス」という闇の力が発動。ジャッキーは持ち前のテクニックとダークネスを駆使して、ポーリーへの復讐を企てる。

なぜ21歳の誕生日にダークネスの力が発動したのか。それは物語が進むにつれて明らかになっていく。ダークネスは宿主のジャッキーを支配しようとしており、その対処方法を探すのも目的の一つだ。ポーリーへの復讐、ダークネスへの対処、恋人ジェニーとの関係、物語はその三本を軸にして展開していく。

恋人のジェニーとの甘い関係は序盤で丁寧に描かれており、これが後半の展開で活きてくる。誕生日ケーキの火を消したり、ソファに寝そべってモノクロ映画を見ながらファーストパーソンキスをしたりするFPSは本作が始めてではないだろうか。登場人物たちの普段の生活などは描写されにくいFPSで、そういった部分を描こうとした姿勢は評価したいところだ。

夜のニューヨークを舞台にしているが、中盤辺りから異世界へ行き来するようになる。現代ニューヨークに世界大戦風の異世界と世界観はガラっと趣が変わり、ゲーム展開に変化を与える意味では良いと思うが、ここの戦闘は作業的なのが辛い所だ。異世界はゲーム中の1/3を占めるほどなので、マップは現代世界だけではないことを考慮しておいた方がいいだろう。

ロード中はジャッキーの独白が聞ける。暗殺組織での処世術やこれまでの生い立ちなどが語られたり、状況説明などが行われる。ロードの退屈しのぎのみならず、ストーリーや主人公に対する理解も深まり、無駄な時間をうまく有効活用していると言えよう。

本作の特徴はなんといっても闇の力「ダークネス」だ。銃弾から身を守ってくれる防弾効果、遠隔操作で蛇を操るクリーピングダーク、触手で強烈な近接攻撃を与えるデーモンアーム、敵を一撃で倒すダークネスガン、何もかもを吸い寄せるブラックホール、四種類のダークリング(使い魔)など、ダークネスは様々な能力を持っており、これを自在に操れる点が最大の魅力と言っても過言ではない。ちなみに初めはクリーピングダークしか使えないが、進行に応じて新しい能力が使えるようになり、最終的には多彩な能力を自在に操れるようになっていく。

ただし、闇を原動力とするダークネスを発動させるには暗いところでパワーを補給しなければならない。明るい場所でダークネスを発動させると闇の力が徐々に失われていき、いずれ発動できなくなってしまうのだ。つまり、時にはプレイヤーが暗所を作る必要も出てくるというわけだ。

ゲーム中のライトや街灯などはほとんど破壊可能であり、暗闇を容易に作り出せるようになっている。銃で街灯を破壊し、暗闇を作ってダークネスで敵を襲う・・・これが本作におけるオーソドックスな戦術である。むろん、無理にダークネスを使う必要はなく、ほとんどの敵は銃で倒すことができるので、ドンパチで戦ってもいい。どういう戦術を取るかはプレイヤーに任されている。

暗所の判定が曖昧で外見上はあまり暗くないところでも周りに街灯などが無ければ闇の力は回復するケースが多い。明暗を表したり、現在の闇の力を確認できるようなゲージもなく、大雑把な感がある。ちなみにダークネスに人間の心臓を食べさせることでパワーアップしていく。死体を見つけたら必ず心臓を食べさせるようにしたい。

クリーピングダーク・・・蛇のような生物を直接操作して、敵を襲ったり、狭い場所を通って鍵を開ける時に使う。極度に明るい場所や攻撃を受けると一目散にジャッキーの元へと引き戻されるが、何度でも使えるので死角の状況を探ったり、銃では狙いにくい遠距離の敵を倒す際に大活躍する。操作はAlien vs Predatorのエイリアンと似ており、壁に張り付いて移動できたりもするが、視点もそれに応じて横向いたり、逆さまになったりするのでパッド操作ではコントロールが難しい。

デーモンアーム・・・近接攻撃用の触手。重いものを持ち上げたりもできる。街灯を壊すのにも使えるが、ダークネスガンが使えるようになると存在価値が薄くなる。

ダークネスガン・・・弾数無制限(闇の力を消費)の銃。プライマリが吹き飛ばし攻撃で直撃すれば即死、セカンダリは小さな電撃で敵を怯ませることができ、連続で命中させれば倒すことも可能。弾数無制限なので街灯を壊すのにも役立つ。

ブラックホール・・・周囲のオブジェクトや敵を一点に集め、芋洗い状態にする。強力な吸引力によって敵の態勢を崩し、巻き込まれた敵は即死させる。後半に登場するだけあって、効果はピカ一。発動すると闇の力をまるまる消費してしまうが、暗闇にいればすぐに貯まるので場所によっては連発も可能。

ダークリングはところどころに配置されているゲートから召喚できる。一つのゲートからは一種類しか召喚できないが、何度でも呼び出すことが可能。銃弾を温存したい時などは積極的に利用するといいだろう。後半はゲートがたくさんある場所が多いので、複数のダークリングを引き連れるようになる。ダークリングたちはお喋り大好きで、彼らがいれば道中も寂しくなく、むしろ心強い。ちなみにダークリングには大雑把な移動命令は出せる。

バーサーカー・・・ナイフで戦う狂戦士。狭い場所なら怖い物なしだが、遠距離攻撃ができないので開けた場所では一方的に蜂の巣にされることが多い。

ガンナー・・・ミニガンを撃ちまくるトリガーハッピー。命中精度がなかなか高く、銃撃の威力も強い。安定して使える。

カミカゼ・・・自爆することを運命づけられている可哀想なテロ野郎。自爆すると消滅してしまうし、バーサーカーと同様に遠距離攻撃ができないので開けた場所では一方的に蜂の巣にされてしまう。使い道が限られている。

ライトキラー・・・周囲の明かりを手当たり次第に破壊して暗所を作る便利なヤツ。わざわざプレイヤーが明かりを壊す手間が省ける。おまけに電撃で敵を攻撃もするので攻守ともに役に立つ。

武器は二丁拳銃の他にサブマシンガン、ショットガン、アサルトライフルなどが用意されている。二丁拳銃は左手がL2、右手がR2に対応しており、二丁拳銃好きにはたまらない操作性となっているが、両手でバンバン撃つと操作が安定しにくいのが難点か。

オートエイムはかかる時もあれば、かからない時もあり、反応にムラがある。ヘッドショットすれば敵を一撃で倒せるが、体には数発撃たなければならない。なるべくヘッドショットを狙いたいが、パッド操作に慣れていない者には動きながらヘッドショットするのは難しく、多勢を相手にする場合は物陰に隠れてチマチマ撃つか、ダークネスの力を借りざるを得ないだろう。敵は銃撃戦が始まると積極的に動こうとせず、遮蔽物の後ろに隠れながらひたすら攻撃してくる傾向が強く、そういった場合はクリーピングダークの能力が役に立つ。

マップはゲームが進むにつれて行ける場所が増えていく。ゲーム進行は一本道ではなく、他の場所へ寄り道が可能。地下鉄では一般人が普通に行き交っており、生活感を演出している。ゲーム内のTVではニュース番組やミュージックビデオなどが放送されている。本筋とはほとんど無関係ではあるが、こういうところも造り込むことで本作の世界観がより骨太になっている。ミュージックビデオはポップスからデスメタルまで様々。Starbreeze Studiosと同じスウェーデン出身のアーティストが主に採用されているようだ。また、戦闘BGMはプログレやメロディック系のメタルで、本作の退廃的な雰囲気とマッチしている。

一部のNPCとは会話することができて、サブクエストを受けられる。サブクエストは○○地区のマフィアを倒せ、捜し物を見つけろなど、単純なものが中心で本編のように凝ってはいない。また、サブクエストの報酬はメモ(ムービーやコンセプトアートなどが見れるようになる)だけで、PS3の日本語版は実績に対応していない為、見返りが少ない。会話には選択肢があり、選択によって反応が少し変化する。

中二病患者垂涎のゲーム性。凶悪な闇の力を自在に操り、全能感を楽しもう!

ゲーム性は強力な闇の力を自在に操ってナンボという性質の為、普通のドンパチ自体にはあまり期待しない方がいい。後半は銃弾がたんまりと手に入るが、ダークネスパワーでゴリ押しした方が楽に進めるだろう。リディックほど革新的ではないし、陰鬱的で地味な作風ではあるが、フィルム・ノワールな物語や雰囲気が好きな人は楽しめるだろう。破滅型の物語であり、欝的な展開もあるものの、ところどころに救いもあるので気が滅入るほど暗くはないし、スッキリとした結末が用意されている。少し風変わりな主観視点の戦闘を求めている人にも合うのではないだろうか。ただし、演出重視な部分が結構あるので、そういうのが苦手な人はイライラとする部分があるかもしれない

●The Darkness プレイ日記

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