■銃撃戦を愛する貴方に捧げるFEAR拡張パック第二弾
拡張パック第二弾。ペルセウス指令書 |
時間軸は、本編とExtraction Pointを横断する形になり、これまでに起こった出来事を別視点から追体験していくことになる。主人公の目的は、とある人物のDNAの採取。これを求めて、もう一つの勢力と奪い合うことになるのだ。主人公が違うだけに、アルマやフェッテルはチラッと登場するものの、脅かし程度の登場に留まっており、新事実は見られないのが残念なところ。ただし、ラストの展開はMonolithが開発中の続編「Project Origin」に繋がっていくと思われる。番外編ではあるが、Project Originの前に一応プレイしておくべきであろう。
拡張パックも二発目となり、映像は流石に見飽きた感が漂う。本編がリリースされたのは2005年であり、グラフィック自体も時代を感じる部分が多分にあるのも致し方ない。FEARのリソースは遠景の描画に向いていないのにも関わらず、PMでは開けた場所を起用していて、デザイン的に不利な面が見られる。均等に同じテクスチャが貼られた真四角のポリゴンビルに、今回もガッカリさせられることだろう。また、パフォーマンスが安定しないシーンが多いのも頂けない。屋外のみならず、屋内でもライトの多用のせいか、fpsが急激な低下をするところがある。「本編やEPではフルオプションで快適だったので、今回も大丈夫だろう」と思っている人は注意が必要である。
ジャパニーズホラー的な恐怖演出を取り入れていたFEAR。ウリであるナイトメアシークエンスに関しては、これまでに何度も見たような物が多く、既視感を拭えない内容である。ただ、銃撃戦とワンクッションを置く作用はしており、それ故に戦闘一辺倒に感じさせない。ゲームのテンポに緩急を付ける機能を果たしていると言えるだろう。
銃撃戦に定評のあるFEAR。今回は、これまで以上に銃撃戦が楽しめる内容に仕上がっている。とにかく銃撃戦から銃撃戦のオンパレードで、ナイトメアシークエンスや移動シーンは必要最低限用意されているといった按排。FEARの戦闘をどれだけ気に入っているか、欲しているかによってPMの評価も変わってくると思われる。PMでは、高低差を活かした立体的なレベルデザインや複数用意されたルートによって、駆け引きの幅に広がりを持たせている。現れた敵を片っ端から突っ込んで倒す以外に、複数置かれたオブジェクトをカバーしながら移動し、敵を翻弄しながら戦えるシーンも増えており、これまでより様々なアプローチが可能となった。
そして、銃撃戦をさらに盛り上げるのが高速移動したり(スローモ能力?)、壁にキック宙返りをしながら、爆弾やタレットをばらまくトリッキーな動作をする特殊兵である。ヤツらはビュンビュンと軌跡を残しながら素早く移動し、普通の状態では対応しきれない。故に、こちらもスローモを使用して応戦しなければならない。変則的な動きでこちらを翻弄してくる特殊兵との戦いは、いつも戦っているクローン兵よりも手応えがある駆け引きを味わえるハズだ。
暗視スコープ付きアサルトライフル。今回の主力武器 |
アルマママもチョコっと登場 |
※ハブられて、泣いているワケではありません |
お部屋で暴れる悪い子はメッ! |
高低差を活かした銃撃戦が展開 |
新兵士。クローン兵と声が違い、装備も差別化されている |
■FEARの銃撃戦をとことん味わいたい人に
FEARの銃撃戦がやり足りない、ガチンコのシューティングで遊びたい人にもってこいの一本。約6時間に戦闘がギッシリ詰め込まれており、十二分に熱い駆け引きや殺戮が楽しめるハズである。
ただ、フルプライスはやや割高。単品で買うのなら、少し値下がりしたのを待った方が良い。EPを持ってない方には、本編&EP&PMが3本セットになったPlatinumを勧める。
2007年11月27日 記