FPS UnKnown

Lego Star Wars (2005-Traveller's Tales)

幼い頃、バケツに詰まったプラスティック製の色鮮やかなブロックで遊んだ。いつの間にか夢中になって、誰かに曖昧に定義された時間という概念さえもを忘れる程に。単純な構造のブロックとブロックを組み合わせていき、一つの構造物を作り上げた時の達成感と心地良い疲労感は今も私の記憶の中に、しっかりと残されている。簡単には忘れることなんて出来ない、数少ない良き思い出の一つとして。形のあるものはいつか壊れてしまうけど、思い出は決して壊れはしないし、いつまでも裏切ることはないから。

いつしか夕方を迎え、遊び疲れた後はブロックで模った夢の形を元の姿へと戻し、バケツの世界へと帰す。そして、また次の日になれば、バケツから夢の欠片を拾いあげて、新しい夢を築くことに勤しんだ。あの時、小さなプラスチックのブロックには限りない可能性が広がっていた。毎日が楽しいことばかりだった。
しかし、年を経てしていく内に世間の雑念や俗物に晒され、徐々に汚れ荒んでいった心には、もうそんな輝かしい想像力はこれっぽっちも残されていない。心は既に日照り、渇水してしまった。願おうとも、過ぎてしまった時はもう巻き戻すことは出来ない。だから、せめて良き過去の追憶や大切なもの達が離れていかないように胸で強く抱き締める。あの頃の気持ちを忘れないように、純粋な童心の心を失わないように。時々、唇を強く噛締めて思い出す。

このゲームはタイトル通り、子供から大人まで広いファンを持つレゴとスターウォーズがコラボレーションした作品である。レゴでスターウォーズと聞いて失礼ながら、チャチなものを想像していたが意外や意外。しっかりスターウォーズしていて、良い意味で裏切られた。Lego Star Warsは題材にした作品の名を汚すような世に蔓延る悪質な版権物でなく、ファンのことをきちんと考えた正しいエンターテイメントを提供している。レゴで表現された世界は紛れもなくスターウォーズなのだ!
ゲームに登場するキャラクターや一部オブジェクトはレゴブロックで模られている。四角い身体やU字型の手は間違いなくレゴのそれである。Lego Star Warsは可愛くチャーミングにデフォルメされた彼らがエピソードⅠ~Ⅲまでを忠実に再現している。ポッドレース、ダースモールとの戦い、アナキンとオビワンの決着シーン等…あの名場面の数々をレゴらしいギミックを使ったコミカルな演出で追体験させてくれる。ただし、そのままスターウォーズのコピーするのではなく、一味違った魅力を抱かせる新しいスターウォーズの世界を作り出してしているから侮れない!原作を大切にしながらも、その中で独自の個性を確立させる。そこがLego Star Warsの魅力なのだ。

緊迫のシーンでございますよ あのダースモールも愛らしくデフォルメされています

本作は「低学年のお子様やご父母の方へ。レゴ スターウォーズは年齢に関係なく楽しめるよう、企画・開発されています」と取扱説明書に書いてある通り、低難易度のアクションアドベンチャーゲームである。ライトセイバーやブラスターを奮い、立ち塞がるドロイドを薙ぎ倒しながら、時には仲間を切り替え、パズルを解いて進行していく。

・ジェダイはタイミングよくボタンを押してコンボを使いながらライトセイバーを振り回し、映画さながらに敵の銃弾を跳ね返すことが可能。フォースを使ってオブジェクトを操作できる。
・パドメやウーキーはブラスターやボウキャスターを使った遠距離攻撃。銃から発射するフックを引っ掛けて高い場所に移動可能。
・ドロイドは閉じている扉のアクセスパネルを操作したり、ホバーで空中を長距離移動できる。

このように各キャラクタはそれぞれ異なる特殊能力を持っており、臨機応変に仲間を切り替えながらパズルを解いていくことが必要となる。アクションあり、パズルありのゲーム内容は古き良き懐かしいアクションゲームに似た普遍的な楽しさを与えてくれるはずだ。何度死んでもその場で復活、実質ゲームオーバーはないので、老若にゃんこ♪も根気良く挑戦すればクリアできる優しい仕様となっている。「そこまで甘いと逆にどうなの?」と思ってしまう人もいるかもしれないが、本作はキャラクターが死んでしまうと今まで貯めていたコインをばら撒いてしまうシステムを採用することで、おちおち死んではいられない緊張感を持たせていて、その点も抜かりはない。コインをダダ漏れして黙っていられる人はおられまい。
有史以来、人々はコインの為に精力を尽くしてきた。たったいちコインの為に何人もの、○リオがこの世を去っていった。人はコインを目の前にすると人が変わってしまう。これは私の長年の経験が物語っている。

ジェダイの如くライトセイバーで敵を薙ぎ倒せ! R2D2はハッキングがお得意です

- レゴファンやスターウォーズファンは買うべき。軽いアクションゲームを遊びたい時にオススメ。

レゴとスターウォーズ。どちらに対しても愛情が感じられる作品で、小気味良く進行していくゲーム内容とトリロジーをうまく編集したカットシーンは次から次へとプレイを促してくれるだろう。ジェダイのみならず、ウーキーにドロイド。果てはダースモールやベイダー卿まで!総計50人に及ぶ。幅広くキャラクターを操作できる点はファンのみならずとも嬉しい。そして、キャラの豊富さを無駄にしないようにアドベンチャー要素に結びつけて、パズルに活かしているのもお見事。
惜しむらくは、ゲームの短さ。やりこみ要素はあるものの、もう少しボリュームが欲しい小粒な仕上がりなのが残念である。

ヨーダは映画の通り飛び跳ねる!操作し辛いかも(笑 他にもポッドレースのミニゲームもあったりします
どうやったらダメージを与えられるか…。頭絞ってネ 二人のフォースで仲良くパズル解読

□Link
Lego Star Wars
Lego Star Wars 日本語版

2007年5月2日 記
FPS UnKnown

©2007 FPS UnKnown