■不適正価格のゲーム内容
明らかにバリューゲーBattle for the Pacific |
間違ってもフルプライスで買うべきではなく、これを買うくらいなら先に他の戦争モノFPSをプレイしてからにした方がいいと忠告しておく。決してグラフィックに騙されてはいけない。
●無味乾燥なゲーム内容
ゲームタイプはひたすら直進して、何処からともなくわらわら湧いてくる敵を倒すオーソドックスなアーケードシューター。アイアンサイトに切り替えても、腰溜め撃ちとあまり変わらない移動速度で動け、ガンガン突っ込みながらのアサルトプレイが可能になっており、タクティカルな煩わしさはなく進める。
ただし、敵を撃った感覚やヒット感が薄く、爽快感を得られるかと言ったら疑問が残る。敵をガンガン薙ぎ倒せていけるのだが、敵を倒した!という実感が希薄でシューティングゲームとしての肝心な快楽性は低い。
難易度は低めに設定されており、苦労するような山場となる部分はなく、最後までその調子が続くと思ってよい。敵のエイミングは甘く、必要以上に追い込んでは来ない為、普通の難易度ならばバカみたいに突っ込んでいってもゲームオーバーになることはほとんどないだろう。
ゲーム展開は、ひたすら仲間の後を付いていき、敵を倒しながら陣地を攻めて、たまに迫撃砲や小屋を爆破するくらいで、終始一貫して非常に地味なミッションが続く。これがこのゲームの一番致命的な点だ。いわゆる戦争モノFPSの場合は、いくら史実に沿っているとは言え、あくまでシチュエーションや雰囲気を似せるだけで、演出は大仰なものを用意する。スナイパー同士の対決だとか、戦車がわらわら押し寄せてくるとか、そういったドラマティックな展開を用意することで、ゲーム全体にメリハリを付けて雰囲気を盛り上げるのだ。延々と塹壕を掘り続けたり、何時間も敵と睨み合いで膠着するなど、確かにそれの方がリアルだが、そんなものはゲームに必要ではないし、第一楽しくもないだろう。
しかし、このゲームの場合はずっと一本調子でゲーム展開の起伏が欠けている。洞窟のような一本道を延々と進んで、敵が登場するパターンはほとんど同じの単調さ加減。目的と言えば爆薬を仕掛けることぐらいで、ミッションにバラエティ性が足りていないのだ。戦闘機相手に機銃で反撃するところもあるが、テキトーに流し撃ちをしていればいいだけで、せっかくのシチュエーションも見せ方に工夫を凝らしていないために盛り上がらない。こういったところがいかにもバリューゲーム的である。
こういった演出がもっと沢山あれば… |
ジャングルの描写はよく雰囲気が出ている |
手榴弾を使うと、喜劇のように敵が吹っ飛ぶのがよろしい |
History Channel監修?だけあって実写のムービーが流れる。硫黄島の勉強にはいいかも |
一本道を進んで敵がわらわら沸いてくる。ずっとこんな調子 |
ほんとグラフィックは良く出来ているのに… |
■完全なるバリューゲー。歴史のお勉強に
難しすぎるとか、理不尽で苦痛ということはないが、貧相なゲーム内容と2~3時間で終わるボリュームはいかにもバリューゲーム。ゲームのついでに歴史のお勉強もしたい!という方なら買ってもいいかも。ただし、英語ですけど。
2007年12月24日 記