FPS UnKnown
AquaNox2 : Revelation
2666年。地上は荒廃し、人類は海底への移住を余儀なくされた。
だが新天地を手に入れた人々は過去と同じ過ちをまた繰り返す。
地上を支配していたのが、権力と金の力だとすれば海底でもそれは同じ。
心が荒んだ人々が夢見た、ただ一つの伝説。
苦痛に耐えた者だけが手にする事ができる財宝の山…。
デカダンスな近未来描写が堪らない!
深海探索シューティング「アクアノックス2」
ライブドアの珍訳と共にただいま参上! |
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□AquaNox2 : Revelation
ドイツのMassive Development社が開発の深海を舞台にしたシューティングゲームの三作目となる。
Archimidean Dynasty、AquaNox、そしてAquaNox2:Revelation。
なお、Massive Development社は2005年にコンシューマ用にAquanox - The Angel's Tearsを開発した後に閉鎖している。
本作はライブドア社からアクアノックス2として日本語化され発売していたが、ライブドア社がPCゲーム販売から撤退した現在はオークションか、ワゴン特価品として見かけるだけとなっている。
□Story
核戦争や災害によって地上が荒廃し、もはや人が生活できるような場ではなくなったため、人類は海底に都市を築き、生活を始めた。
親から譲り受けた貨物船で生計を立て、退屈な毎日を過ごしていたウィリアムが小さなきっかけから運命に翻弄されていく様を描いている。
ゲームの半分以上が会話パートで成り立っており、ストーリー面が重視されている。内容も裏切り、色恋、復讐、友情、運命…とメロドラマなさがらに繰り広げられ、仲間の乗組員の半数が×××するなどハードで熱い展開が待っている。主人公のウィリアム視点で進められるため、ストーリーが飲み込み易く、ついつい引き込まれて先の展開が気になるのだ。
そのため日本語版をオススメしたいのだが、前後の会話を考慮していないような直訳に問題が大有りで割合で言えば…
自然な会話が一割、言わんとする事が分かるのが六割、もはや何が言いたいのかサッパリなのが三割と苦痛を感じる出来。
頑張って理解しようと努めたのだが、結局一部分は理解出来ないままに終わってしまった。確かに全体的に回りくどい比喩表現が目立つのだが、それをそのまま訳すのはさすがにどうかと思う次第で誤字や脱字も有り、口調が突然変わるなど、翻訳の質は相当低い。
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言っておくが、レタッチは加えていない。 |
□Game Info - ADV Mode
ゲーム進行はアドベンチャーゲームのようにハイライトされた場所をクリックして会話シーンを進めて、ミッションへと出撃する流れ。緊迫したミッションの合間の休憩としてアドベンチャーパートの導入は良いと思うが、選択肢などもなく、ただ単に会話を見てフラグを立てて、次の会話をして…とアドベンチャー風にしたのを活かせていない。 会話するキャラクターの選択によってミッションの内容が変われば、良かったのではないだろうか。そうでなければ、いちいちウィンドウを閉じて開いてを繰り返すのも煩わしいばかりだ。
街に居る時だけアイテムを購入出来るが、これもあまり活かせてはいない。第一アイテムの種類が少なすぎるし、大抵のものはミッションクリア時に入手する。それにゲームの半分近くは街に居ないために、せっかくお金が貯まって欲しい時に限って購入出来ないのでは意味がない。(このゲームは自由に街へ移動する事が出来ない)
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ポートレートは日本人にも受け入れやすい絵柄。 |
近未来的な描写が素敵。 |
□Game Info - Mission Mode
ミッションは海底探索・母船の防衛・仲間を護衛・罠を解除・敵基地無力化・敵機を撃墜と様々に用意されており、ミッション途中にいきなり新しい展開が発生するなど緊迫感を孕んではいるが、全体的に内容が似通った印象が否めない。ストーリーベースのミッションばかりで、自由にこなせるサブミッションがもっと有れば良かったのだが。
敵の攻撃は激しく、狙撃艇にコックピットを狙われれば一撃で撃墜されたりと難易度は結構高いレベルに収まっており、何度か繰り返して答えを導き出していくというスタンスである。近年こういったスタンスのゲームが淘汰されている傾向にある様に感じるので嬉しい限りだ。(ミッション途中ではセーブ出来ないのも難易度を上げている要因。即死系トラップで初めから何度もやり直す事もあり、イライラが募った部分も…。クイックセーブは用意して欲しかった所)
出撃前に得られるヒントから、それに応じて装備や船をベストなものを選んでいく過程が楽しく、このゲームの旨みはここにあると言ってもいい。例えば敵の装甲が厚いならEMPタイプの武器、海底戦車が多いなら対地専用武器、護衛なら足回りが良い船、防衛なら重装甲の船などと予想していくのだ。苦戦してクリアしたミッションも装備を変えたら、すんなりクリア出来ることもある。
但し、装備の種類が少ないし、使い勝手の良いものと悪いものの差が大きいために選べる選択肢はそれ程多くないのが残念だ。
敵機が発射した魚雷をブザーを使って緊急回避したり、攻撃をかいくぐり後ろを取って蹂躙したり、戦況に応じて武器を使い分けたりとスリリングな展開が繰り広げられドッグファイト自体は存分に楽しむ事が出来たので個人的には御の字である。
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うまく後ろへ回り込んでカマを掘る。 |
状況に応じて装備を整えたい。 |
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装甲の厚い機体にはEMPで無力化。 |
時間差でレーザートラップを潜り抜けろ。 |
□Graphic
新作FPSをバリバリプレイしている人なら、フルオプションで快適に動作する。
前作AquaNoxから定評があったようで、Krassエンジンが描く深海の描写は確かに美しい。
静止画ではそれ程では無いが、海上から降り注ぐ光の帯、光に照らされた海底、海中を漂う粒子など動的な表現に長けている。だが構造物のディティールに関しては物足りなさを感じるのも事実だ。舞台が深海のため、ロケーションに乏しい感じはするが、色調を変更することで全体の印象をガラッと変えてうまくカバーしている。
このエンジンを使ったAquaMark3というベンチマークが用意されているので、気になる人は試して見て欲しい。
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海底都市の外観。近未来ってステキ。 |
差し込む光、照らされた海底。 |
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吹き出す溶岩に気をつけろ。 |
ド派手な爆発。 |
□BGM
新しい展開が発生する事でリアルタイムにBGMが変わるようになっている。特に優れているのが戦闘シーンや緊急事態の時に鳴るヘヴィメタルで、インダストリ系やパワー系のメタルがプレイヤーをうまく煽ってくれる。自身もそういったタイプの音楽を好んで聞くため、思わずヘッドバンギングしながらプレイしてしまった。(危険なので止めて下さい) □無限の広がりを持つ深淵世界に魅了。Massive Dev社も、珍訳ではあるけどライブドアにもありがとう。
深海ものに関しては初めて手を出したと言えるのだが、これがなかなか楽しませてもらった。シミュレータではなく、シューティングという立ち位置だったために受け入れやすいというのもあったのだろう。
洋ゲーには珍しい次々に起る波乱の展開は終始先が見たいと気になったし、海底世界というのは実に魅力的で興味深い舞台だ。
荒削りで洗練されていない部分もあるが、このシリーズの続きをプレイしたいと心から思う。開発元が閉鎖してしまった今ではそれも叶わない夢。
ツナミブースターを口に運びなら、ボクは一人ごちた。
「これ結局どうなったのかよく分かんねぇや」
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抽象的な表現もあり、理解がしづらい。 |
ムービーシーンの訳はまだマシな方。 |
□Link
-JoWood
-Archimidean Dynasty
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