Precursors – 大宇宙を舞台にしたFPSRPG

Precursorsは若きパイロットの主人公が宇宙船に乗って惑星を旅しながら、様々な組織から仕事を引き受け、問題を解決していくFPSだ。便宜的にFPSと呼んでいるものの、RPGやスペースコンバットシミュレーター(SCS)の要素を組み合わせた意欲作である。

このゲームにはメインミッションの他にもサブミッションがいくつも用意されており、ゲームの進行はオープンワールド系のそれに近い。ミッションを解決し、その報酬で宇宙船や武器を強化していくのが基本的な流れとなる。

ゲーム中には7つの組織が存在し、組織のミッションを解決するとその組織の評判が上がるが、反対に敵対組織の評判は悪くなる。評判はゲージで管理され、フレンドリーなら何もしてこないが、エネミーの場合は襲われてしまう。組織のミッションでは少しの選択肢が用意されているものの、ミッションの都合上必ず敵対しなければならない組織が存在し、組織選択の自由度は高いとは言えない。

一方、ミッションの解決方法の自由度は高い。敵基地に侵入して重要アイテムを奪ってくるミッションの場合、車両で強引に突入して暴れまわってもいいし、邪魔な敵をスナイパーライフルで一人ずつ片付けていってもよい。もしくは完全に敵をスルーして、重要アイテムだけを盗んでもいい。

また、敵を騙す技能があり、賄賂を渡して見逃してもらうことも可能だ(成功率は低いが・・・)。どのようにアプローチするかはプレイヤーに任されている部分が強く、わりと自分の好きなように振る舞えるようになっている。

宇宙には10数個の惑星が用意されているが、実際に降りられるのは6個程度。惑星は大小様々だが大きくても5km×5km程度となっている。惑星内では複数の組織やモンスターが活動し、時には争っている場合もある。ただし、自由に旅しているAIは少なく、配置ポイントが決まっているものが過半数を占めており、AIの活動はあまりダイナミックではない。

惑星探索中は人間の敵以外にも、現住生物やモンスターに襲われることになるだろう。モンスターはおぞましい造形の物が多く、道端でばったり出くわした日には緊張感が高まる。巨大なモンスターから手痛い一撃をもらうことも少なくない。

ヘルスは果物やメディキットなどの回復アイテムで回復できる。ヘルスを回復すると身体の部位の怪我も同時に治る。ちなみに腕を怪我すると照準が定まりにくくなり、足を怪我すると画面がブレやすくなるなど、部位の怪我が行動に大きな悪影響を及ぼす。なるべく万全な状態で戦いたいが、戦闘中に悠長に回復するわけにもいかず、ダメージを受けると部位の怪我を負いやすいので、負傷したまま戦うこともざら。負傷兵のごときサバイバル体験が楽しめるのだ。

敵の死体を漁ることができ、そこからアイテムを入手する。人間なら武器や弾薬、モンスターなら肉や爪などが回収できる。しかし、重量制限が厳しく設定されている為、人間倉庫のように何でもかんでも持ち歩けるわけではない。弾薬は量が多くてかさばり、銃器は重いので何個も持てず、回復アイテムも意外に重量を圧迫する。ロケットランチャーは強力だが、その分重量が重いので気軽に持ち歩けない。何を持って行き、何を捨てるか、取捨選択を常に迫られることになる。

通常の銃器に加えて、生体武器なんてものが登場する。これは文字通り「生きている武器」で、蜘蛛や果物を弾薬の代わりとして補給し、攻撃してくれる。リロードアニメーションが「グロかわいい」感じで一風変わっており、一見の価値があるかも?しれない。

生体武器はエネルギー系、電撃系などの種類が用意されているが、攻撃方法にクセがあり、使用者を選ぶ。生体武器の弾薬は入手できるところが少ないため、使用する場面が限られている感が否めない。

敵を倒したり、ミッションをクリアすることで経験値を獲得する。経験値が溜まるとレベルアップし、好きな技能を毎回一つだけ取得できる。技能には、重量制限上昇、移動速度上昇、射撃能力上昇、ピッキング能力上昇、ハッキング能力上昇、敵の説得など、計35種類も用意されている。

どれも実用的な技能ばかりで、レベルアップが楽しみで仕方ない。こういうご褒美的なレベルアップ要素があるお陰で、サブミッションへの取り組みや敵との戦闘を無駄に感じさせず、プレイヤーの意欲を高めている。

宇宙での活動はFPSからうって変わって、SCSになる。宇宙でもAIは活動しており、商人が海賊に襲われていたり、敵対組織に襲われることもしばしば。十数機が入り乱れる戦いに発展することも少なくない。地上とは異なる戦いが楽しめるのがこのゲームの魅力の一つと言えるだろう。

メインミッションは地上戦と宇宙戦をミックスした内容が多く、SCSが良い気分転換になっている。FPS一辺倒ではどうしても展開が単調になりがちだが、本作ではSCSを取り込むことでゲーム内容を豊かにしているのだ。

宇宙を舞台にした壮大なサバイバルゲーム

ストーリーは中途半端なところで終わっていて、惑星は多くあるように見せかけて実際に降りられる場所は限られている。FPSとしても、SCSとしても作りが中途半端な感が否めないが、色んな要素を破綻させずにうまくミックスしており、独自性は高い。各惑星の世界観もバリエーションに富んでおり、宇宙探索ものとして楽しめる内容に仕上がっている。もし、あなたがFPSが好きで、RPGが好きで、SCSが好きで、スペースオペラが好きで、異文化コミュニケーションが好きで、サバイバルが好きで、ロシアゲーが好きなら、このゲームに挑戦してみるのも悪くないかもしれない。

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