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Demon’s Souls
Demon’s Souls – 心が挫けそうなRPG(1)
ダークファンタジーを基調とし、近年稀に見るストイックなゲーム性を採用したアクションRPG。主人公はデーモンが住み着いたボーレタリア王国を救済するため、危険な冒険の度に出る。5つのステージに待ち構えるデーモン(ボス)を倒すのが主人公の目的だ。
ゲームが始まると、まずはキャラクター作成から行うことになる。ここで決められるのは名前、性別、生まれ、外見の4つだ。生まれは兵士、騎士、狩人、魔術師、神職、盗賊などがあり、それぞれ初期ステータスが異なるものの、ステータスはどの生まれでも後から自由に上げることができる。外見は細かく弄ることが可能で、洋RPGに匹敵するほどだ。やはり自分でデザインしたキャラというのは愛着が湧くものである。
武器は剣から鈍器、斧槍や弓など、幅広い種類が用意されている。武器毎にモーションや攻撃速度、リーチが異なる。槍やハルバードはリーチが長い分有利だが、振り回さないため、攻撃範囲が狭い。逆に剣や斧は攻撃範囲は広いが、リーチが短くて反撃をくらいやすい。また、剣は斬撃、槍は刺突属性に優れていて、柔らかい敵には斬撃、硬い敵には刺突が有利に働く。敵によって武器を使い分けるのも戦術の一つだ。それを意図してか、武器の装備欄は4つあり、瞬時に切り替えられるようになっている。
敵毎に攻撃パターンは異なり、かなり小賢しい戦法をしてくる。こちらの攻撃を弾いてカウンターをくらわせてくることもしょっちゅうだ。当たり前のことだが初見の敵の強さを測るには実際に戦ってみるしかなく、強そうなやつは恐ろしいくらい強い。特に序盤は青い騎士や赤い騎士に苦労させられることだろう。
攻撃や防御をするのにはスタミナが必要であり、馬鹿みたいに武器を振り回すことはできない。スタミナ管理は戦闘で非常に重要であり、これが駆け引き性を高めている。武器の特性や差別化がきちんと行われており、敵のAIもそれぞれ小賢しい作りで、剣戟アクションの駆け引きは良く出来ている。
攻略ステージは5つあり、基本的にそれぞれ3つのエリアで区切られている。たとえば、1-1、1-2、1-3という風にだ。最深部にはデーモン(ボス)が待ち構えている。マップはすべて固定であり、ランダム生成要素はない。楔の神殿というのが街の役目を担っていて、ステータスアップや買い物ができる。5つのステージの攻略順は自由となっており、ロックマンのように気分次第でどこから攻めてもいい。難しいと感じたステージは後回しにするのもアリだ。
マップの見た目はいかにも迷宮らしい雰囲気を漂わせているが一本道が中心であり、印象的(特徴的)なレベルデザインがされているので迷いにくい。縦方向に長い構造を中心とし、高所を活かした罠や仕掛けがふんだんに用意されており、死を誘う。とりあえず落下死、注意不足で落下死、注意していても落下死、お宝に目を奪われ落下死、調子に乗ってローリングしていたら落下死、足場が崩れて落下死、敵に突かれて落下死、落下死は死亡原因の上位を占める。
また、画像を見てお分かりの通り、マップは薄暗い。主人公の明かりは周囲をぼやっと照らす効果しかないので、少し離れた場所はまさに暗闇。お陰で敵の不意打ちや罠に引っ掛かり易く、死亡確率を高める。そのためダンジョン内では常に緊張感に包まれるというわけだ。ディスプレイの輝度やコンストラストを明るくすれば楽にプレイできるだろうが、それではせっかくの雰囲気が台なし。やはりここは暗めで遊ぶのが望ましい。
「死にゲー」と評されるほど死にやすいゲームだが、死んだとしてもゲームオーバーではない。死んだ場合はソウル(お金と経験値の役割を持つ)をその場に落とし、ソウル体としてステージの始めに戻される。ソウル体では体力の上限が生身の状態の半分までしか回復しないが、それ以外のペナルティはない。死んだ時に落としたソウルはその場に戻って拾えば取り戻せる。しかし、拾いに行く途中で死んでしまった場合、一つ前に落としたソウルはなくなってしまうため、回収作業はいつもよりもさらに緊張感が高まる。
ソウル体から生身に戻るにはデーモン(ボス)を倒す、ファントムとして他プレイヤーの世界に現れて協力してデーモンを倒す、ファントムとして他プレイヤーの世界に侵入してPKする、復活アイテム(レア)を使用する、以上の4つの方法が用意されている。ソウル体のペナルティはそれほど大したことないし、死にやすいゲーム性のため、普通はソウル体で攻略していくことになるだろう。生身で過ごす時間はほんの一時に過ぎない。
オンラインに繋いでいる他のプレイヤーが時々、白い亡霊として現れる。この状態では協力することはできないし、このゲームにはチャット機能がないので話せないが、同じ時間に同じ場所で戦っているプレイヤーが居ることでちょっとした共感を覚えるのは確かだ。「他のプレイヤーも居るから頑張らないと」、「一人じゃないから怖くないモン」と心強く感じたことは何度もあった。チャット機能がないからこそ、自分のいいように想像できて、世界観を壊されることもない。
また、地面に定形メッセージを残すことができて、他のプレイヤーが読める。危ない場所には「この先、注意」や「よく見て」などのメッセージを残して、他のプレイヤーに助言を与えたりすることができるわけだ。逆に利用して「怖がらずに進んでみよう」とかブラフをかけることで死を誘える。他のプレイヤーがメッセージを評価してくれると体力が回復するので、ついついメッセージを残したくなる。鹿ゲーと同様に、オンラインプレイを導入しながらもコミュニケーション要素を限定することでロールプレイを壊さない工夫がされている。
デモンズソウルは登山に似ている。山を登っている時は「なんでこんなことしているんだろう」、「まだ終わりじゃないのかな」、「もうアベしちゃおうかな」と、つい弱音を吐きそうになるが、登り終えた時には疲労と共に清々しい達成感を味わえる。そして、「他の山はどんな景色かな」、「次はもっと高い山に登ろう」と挑戦心をくすぐられるのだ。
死んで覚えるのがデモンズソウルのゲーム性。マリオ、ロックマン、魔界村のように、何度も何度も死んで死体の山を築き、苦労を積み重ねながら少しずつ学習して、その屍を超えていく。これは一昔前では当たり前のスタイルだったが、現在のメジャーゲームではあまり見られなくなった。最近の主流は簡単に快感が得られ、ずっと気持ち良いままでクリアまで導く、そんな接待スタイルが蔓延っていると言ってもいい。苦労、努力、忍耐はタブーなのだ。
デモンズソウルはそんな姿勢に対してアンチテーゼを込めつつ、新感覚のオンラインプレイを取り入れることで、単にオールドスクールなだけで留まらないゲーム性を構築している。確かに難易度は高めだが、細かいところまで配慮が行き届いており、初心者への救済要素も用意されているし、決してプレイヤーを突き放してはいない。わざとぶっきらぼうにしているところはあるものの、理屈の通らない不親切な部分は少なく、むしろ論理的に設計されている。
PCゲームはクイックセーブ&ロードでやり直しが容易にすることが基本であり(ローグなどでセーブデータのバックアップを取るユーザーもいる)、なかなかこういう仕様のゲームは作られにくい。定点セーブやチェックポイントセーブが一般的なコンソールゲームらしいゲーム性とも言える。死んだ時のペナルティが少なく、剣戟がしっかりしていて、マップ攻略の面白みがあり、繰り返しプレイにも耐えるのも魅力的だ。つまらないゲームは繰り返しやらされるとウンザリしてくるが、デモンズソウルはそうは感じない。少しずつ次へと進むことに喜びを感じ、凡ミスしても自分のせいだからと納得してしまう。古き良きアクションゲームのストイックなプレイが好きだった人、Wizやマイトマなどの3DダンジョンRPGに心をワクワクさせていた人はきっと楽しめるRPGのはずだ。
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