Krater – アナーキーだけどとっても地味なパーティ制ハックアンドスラッシュRPG(1)

三人一組のチームを操り、オープンワールドな終末世界を旅するRPG。住民との会話や選択肢は結構あるがムービーや演出シーンはほとんどなく、大作RPG的な派手さとは無縁の地味な作りになっている。初期キャラクターは三体用意されているが、バーで新しいキャラクターを雇って交代させることが可能。キャラクターのグレード(灰色/緑/青/紫ネーム)によってレベル上限やステータス値が異なり、戦闘がキツイと感じたら交代させていく必要がある。特に初期キャラクターはレベル5までしか上がらないので緑や青ネームのキャラクターをバーで見つけたらさっさと交代させた方が良い。

要らなくなったキャラクターに救済措置はなく、使い捨て感が強い。キャラクターを合体させてステータスを底上げできるとか、引退させるとアイテムがもらえるなどの特典があればいいのだが、特にそういうものは用意されていない。今のところ一度雇ったキャラクターをパーティ編成画面から消去するには規定回数まで殺すしか方法がなく、要らなくなったキャラクターは愛着が沸くどころか粗大ゴミ扱い。パーティ編成する時に邪魔になってしょうがない。

クラスは壁役のBRUISER、攻撃力重視のSLAYER、遠距離攻撃のREGULATOR、回復役のMEDIKUSの四種類。三人一組に対して四クラスあるのでどれかのクラスはハブられる。というか、どのクラスを連れて行くかは自由なので使えるかどうかは別として三人全員がBRUISERといった偏ったパーティーも可能。

各クラスは二種類のアクティブスキルを持っている。レベルアップに応じてアクティブスキルが増えたり、付け替えができるような要素はない。初めから持っているスキルしか使えない。ただし、同じクラスでも別のアクティブスキルを持っているものもいて、各クラス毎に二パターン用意されている。

同じスキルを延々と使っていくことになるので操作は簡単だが戦術ゲームとしては物足りない。しかし、スキルにブースターを装着することで別の効果を付属させられる。例えば攻撃スキルにダメージ増加はもちろんのこと、回復効果や一時的なステータスアップ(バフ)をかけられる。タンク役は攻撃力も必要だが何より耐えることが重要なので防御力アップや体力アップなどを攻撃スキルにバフすることで生存率を高められる。回復スキルは回復力は重要だが防御力アップのバフがあれば厳しい状況でも耐えられるようになる。

今のところ威力増加とステータスアップのブースターしか見ていないがゲームを進めるとさらに特殊な効果のブースターが見つかるかもしれない。スキルのブースタースロットはレベルに応じており、最大で5スロット開く。レベル上限15のキャラクターでなければすべてのスロットは開放できない。一度装着したブースターは取り外すことができず、上書きするしかない。不要なキャラクターのブースターはすべて無駄になり、これも使い捨てキャラクターの粗大ゴミ感を増長させている。

また、キャラクターにはインプラント枠があり、レベルに応じて一つずつスロットが開いていく。インプラントスロットには主にステータスアップのインプラントを装着できる。残念ながらこのゲームには防具の要素がないのでインプラントで防御力を上げるしかない。装備は武器とガジェットの二種類だけであり、ハック&スラッシュとしては物足りない。ガジェットはバフ効果や遠距離攻撃など、アクティブスキルのような扱いとなっている。

戦闘の展開は早く、一回の戦闘は数秒から数十秒で終わる。アクティブスキルはクールダウンが必要なもののいくらでも使えるので、一回一回の戦闘を全力で戦うゲームデザインになっている。基本的にはBRUISERかSLAYERが前線で敵を引きつけ、REGULATORがスタンやスローで敵の動きを止め、MEDIKUSが援護する形になる。だが、敵は嫌らしい攻撃を仕掛けてくる方を襲うようになっており、REGULATORの妨害を見つけるとそちらを優先して襲おうとしてくる為、うまく敵の群衆をコントロールすることが必要になる。

序盤はテキトーに攻撃していてもサクサク進めるがACT3辺りからパーティ編成やクラウドコントロールを考えないと厳しいバランスになっており、純粋な戦術ゲームとしては物足りないがRPGの戦術要素としては上出来。ガッチガッチの戦術要素は苦手だがDungeon Siegeみたいにパーティ全員でボコスカ殴っているだけなのもちょっと・・・という中間層にオススメできる。ただ、オンラインCOOPも視野に入れている為か、Baldur’s Gateのようなゲームの一時停止はできず、すべてリアルタイムなのでパーティ制のRPGとしては操作が忙しい。RTSでわたわたしちゃう人には若干辛いかもしれない。

キャラクターはノックダウンされても(体力ゼロ)、戦闘が終われば蘇生できる。しかし、ノーマル難易度の場合は四回ノックダウンされるとInjuryのペナルティがつき、ステータスにマイナス効果がつく。Injuryを三回繰り返すとそのキャラクターは消去となる。ハード難易度の場合はより厳しい。ノックダウンは街の医者で回復できるがInjuryは一度ついたら消せない。そのためノックダウンが積み重なっていくと一時撤退するか選択肢を迫られる。これは戦闘に緊張感をもたらし、とても良いスパイスになっている。ただ、このシステムのせいでキャラクターを使い捨ての存在にせざるを得なかったような事情が垣間見られて、ゲームデザイン自体は理解できるが解せない部分も残る。

一回の戦闘で敵は何かしらのアイテムを落とす。ハック&スラッシュのようなランダムアイテム要素があり、装備条件などはないので良いアイテムが出たら即装備できる。適正レベルの敵と戦っていればそこそこ良いアイテムを落とし、ドロップ率はストレスの溜まらないバランス。クラフト要素もあり、設計図と素材を集めてアイテム(武器/ガジェット/インプラント/ブースター)を製造できる。良い設計図にはランダムプロパティ(製造する度に付属効果が異なる)が付いており、射幸心を煽る。

基本はメインミッションに沿って移動することになるが初めからマップは自由は移動できる(鍵がかかっていて入れないところもあるが)。全体マップを移動中にエンカウントすることがあり、敵と遭遇するか個人商店に出会う。

街やダンジョンの数はかなり多い。メインミッションでは行く必要のない場所もある。街の作りはバラエティに富んでいるが(バラエティに富んでいるからといってH&S色の強いこのゲームではあまり意味は感じない、というか街が無駄に広いと逆にアクセスが面倒に感じる)、ダンジョンは似たり寄ったりで使い回し感が強い。一応、ランダム構造のようだがどのダンジョンも見た目のバリエーションが少ない。街を造り込む前にダンジョンをもう少し工夫するべきだった。


・実に地味だが面白い

天に拳を突き上げて面白いと吠えるようなゲームではなく、地味な作りだがゲームデザイン自体は悪くない。それに値段も安価だ。ただ、見切り発車的な部分が見られるのと一部要素が未実装なので様子見している人は7月10日を待っても遅くはないと思う。


・問題点

オンラインCOOPが実装されていない。すでにSteamなどで販売しているが開発に言わせると正式リリースは7月10日となっており、それに応じてオンラインCOOPも追加される。現在はオフラインのシングルプレイしか遊べない。

クラフトや武器画面の文字の大きさが女子中学生のブログ並に小さくて目が死ぬ。これだけ小さい文字はEve Online以来。開発メンバーはJCやJKなのかもしれないが20超えたおっさんもプレイしていることも忘れないで欲しい。小さいよりも大きい方がいいんですよ。でも私は小さいのも好きですが物には限度っていうものがあるわけで。

たまに死体からルートできなくなる。

音量調整機能がこの前のアップデートで追加されたが音量を変える度にゲームを一度終了させないと適応されない。

不要なキャラクターを削除する機能が欲しい。いちいち殺すのも面倒。

レベルキャップまで成長するのが早すぎ、RPGとして成長させる楽しみが薄い。インプラントやブースターを取っかえ引っかえして強化していけということなんだろうが、レベル上限になると敵を倒しても経験値がすべて無駄になるような感じがして解せない部分がある。

陣形が欲しい。全員選択していると壁役以外が先頭を行ってしまうことが多々ある。いちいち一人ずつ選択して命令するのも面倒なので壁役が先頭を行き、援護職は少し離れて付いて行くような陣形があると便利。

インプラントの効果がどの程度の効果を及ぼしているのかが分かるようにしてほしい。実際にSTRでどのくらいダメージが追加され、DEFでどのくらい防げるのか。Diablo 3のように事細かく数値化されているのが理想。体力バーすらセグメント方式で表されているが、このゲームに数値の抽象化はそぐわない。

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