The Darkness II – 誰が望む続編(Demo)

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・The Darkness II

前作は「客観的に見ると悲惨極まりないが、当人にはまだ救いが残されているかもしれない」的な虚淵エンドで幕を閉じ、陰鬱なストーリーの割にスッキリとした終わり方で好印象だったのだが、あれの続編を作るという時点ですでに拒否感がある。前作経験者にはきっとこの感情を理解してもらえると思う。締め方がものすごく良かったから、あれ以上余計なものを付け足して欲しくないというのが正直なところ。ちなみに前作を知らない人の為におさらいというかネタバレしておくと・・・

孤児院で暮らしていたジャッキーはポーリーというマフィアのボスに引き取られ、裏社会で生きていくことになる。ジャッキーが21歳の誕生日を迎えた日に見知らぬ集団に襲撃されるが撃退に成功。その襲撃の黒幕はジャッキーが邪魔になったポーリーの仕業だった。再度、マフィアに襲撃され、追い詰められるジャッキー。しかし、謎の超能力「ダークネス」が発動し、なんとか逃げ延びる。ジャッキーは恋人のジェニーの元へと向かい、二人で誕生日を祝った後、ポーリーの後を追うがジェニーを誘拐され、挙句の果てにマフィアによって彼女が殺害されてしまう。生きる希望を失ったジャッキーはダークネスの制止を振り切り、自殺するがあの世で目覚める。そこにはジャッキーの先祖が悪霊(的なもの。戦争の比喩表現かもしれない)と争っており、ダークネスは先祖代々受け継がれてきた能力だと知らされる。ジャッキーは先祖の力を借りて、悪霊たちと戦い、自分自身と向き合い、ダークネスの力を覚醒させる。再び現世へと復活したジャッキーは数少ないマフィアの仲間たちと力を合わせ、ポーリーのアジトヘと突入。最終的にポーリーを殺害し、目的を果たしたジャッキーはダークネスに同化(宿主乗っ取り)されるところでフェードアウト。ベンチに座ったジェニーに膝枕をしてもらいながら、彼女へ悔恨を告げ、慰められるところでエンディングを迎える。

The Darkness IIでは前作の設定を引き継いでいて、Demoでは前作ありきの展開になっている。製品版ではこの辺りがきちんとゲーム内でフォローされていないと、前作をプレイしていない人にはキツイ。「ジェニー、サラおばさん?何それ美味しいの」状態だろう。

戦闘はタクティカル色が薄れ、アクション要素が強くなっている。前作は銃弾を数発くらうとすぐ死んでしまうので遠距離戦になりやすく、ステルス&シャープシューター寄り(Riddickが近い)であり、ジャッキーがひ弱だからこそダークネスのパワーが活かされ、しっかり対比ができていたのだが、今回はガンガン前に出て銃撃戦を行う展開になっており、ダークネスも強力なのだがジャッキー自体が強すぎるので前作ほどの有難みが感じられない。俺TUEEE要素が強くなっているので爽快感重視の人には今作の方が合っているかもしれない。ダークリングの召喚は全自動になっているようで、いちいち召喚しなければならなかった手間も減っている。

グラフィックはリアル調からトゥーン調に変わり、前作をプレイしていると違和感を覚える。トゥーン調への変更は原作を意識してのことだと思われるが、前作のリアル調とシリアスな展開がマッチしていて大人な雰囲気を醸し出しているところが魅力的に感じたので、個人的には続編ものとして考えた場合、「無いわー」という感が強い。ただ、キャラクターのディティールが細かく描写され、被写界深度が強めにかかっているがプレイを阻害しない絶妙な絵作り(ベクシルを思い出す)は単体で見た場合は美しいと思うし、「ゲームプレイはさっぱりだが絵作りは超一流のDigital Extremes」が作っているだけある。

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