Serious Sam 3: BFE – キミのシリアスをちょうだい!(3)

避けて撃って撃ちまくるオールドスクールなゲームデザインで好評を博したシリーズの最新作。今回は初代のFirst Encounterより前の話となり、宇宙人メンタルとの戦いの始まりが描かれている。始まりということもあってか過去の作品よりもシリアス調ではあるものの、バカな一面をところどころ垣間見せ、シリーズ特有のシュールな雰囲気は保たれている。これはBFE→FE→SEと戦いを経ていく内に感覚が麻痺してどんどんバカになっていったとも解釈できるだろう。

任意リロードやアイアンサイトの導入など、今風の操作が取り入れられているのが過去作と大きく異なる点だ。過去作でもリロードする武器はあったがオートリロード方式であり、またリロード時間も短めであった。今回のリロード時間はそれよりも長く、リロードを考慮に入れた戦いを強いられ、今まで以上に地形や遮蔽物を活かした立ち回りが重要となっている。

アサルトライフルにはホロサイトが装着されており、サイトを覗くと若干ズームする。これで遠くの敵も狙い打つことが可能であり、簡易的なスナイパーライフルの役目を果たしている。ホロサイトがあることで狙い打つ楽しみも増幅している。

序盤は狭くて複雑な構造のマップが中心であり、アリーナスタイルのマップ(部屋に閉じ込める系)がほとんどなく、避けて撃つを強要しておらず、キャンプを容認している。敵をおびき寄せて一網打尽にしたり、遮蔽物に隠れて攻撃をやり過ごすといったこのシリーズらしくない戦法も可能になっている。ここは賛否両論があると言え、従来のシリーズのような広大なマップでひたすら避けて撃つような展開を求めている人には悪い印象を与えるだろう。

しかしながら、敵の攻撃パターンやスポーン方法は紛れもなくオールドスクールなスタイルであり、シリアスサムらしくはないが、それよりも前のDOSゲーぽさを強めている。シリアスサムシリーズはDoomの精神的後継作という話があったが、FEやSEなんかよりも今回の方がずっとそれっぽく、DoomやDuke3Dのスタイルが好きだった人は今回の序盤戦は恐らく楽しめる。Duke4にシューティング性を求めていた人は、これをプレイすれば湧き上がった溜飲をとりあえず下げられるはずだ。程良くモダンなスタイルも取り入れているお陰で、今のシューターに慣れている人にもとっつきやすい。

ずっとDOSゲーぽいのかと言えばそうではなく、中盤以降はサムらしさを取り戻してくる。一気に敵が20体、30体襲いかかってくる場面も少なくなく、避けて撃つで対処しなければならない局面も増えてくる。特にそれが顕著になるのは宇宙戦艦戦である。地上と空中の両方を相手にしなければならず、身を隠して撃つがやりづらく、常に動き回って敵の猛攻を避けながら戦わなければならない。

新しい敵はいくつか追加されているが、二足歩行のデーモンとヘリコプターは劣悪。デーモンは爆発物でしかダメージを与えられず、半ばC4攻撃を強要しており、武器の使い分けが重要なこのゲームの良さを殺している。こんなのを出すくらいなら元気玉のレプタイルを復活させるべき。ヘリコプターも爆発物でしかダメージを与えられない上に射撃能力が高く、行動を著しく制限する。特に初回の登場時は逃げ続けなければならず、一方的に攻撃されるしかなく、ストレスが溜まる。

サイキッカーはこちらを硬直させてくるが、攻撃すれば止めさせられるので、デーモンやヘリコプターよりかは悪くない。ただ、こいつを出すのなら、ハーピーをもっと出して、避けて撃つを単純にやらせてくれた方が良いと思う(まだクリアしていないが、ハーピーが今のところほとんど出てこない)。

また、今回は暗い屋内ステージが増えている。屋内では移動速度を下げて、スローペースな戦いをさせようとするのはいいのだが、暗すぎて不意打ちされることが多い。敵の姿が見えない為、避けて撃つのみならず隠れて撃つもやりづらくなっており、何の面白みもない。ゲーム展開に変化を付けたかったのだろうが、これは失敗と言わざるを得ない。一対一の駆け引きを重視しているDoom3のようなゲームならまだしも、たくさんの雑魚とやりあうシリアスサムには不向き。ここに登場する敵が虫の大群ではなく、インプのような敵で、目視で弾を避けられるような感じ(敵弾が暗闇の中で光るとか)ならもっと楽しめたはず。ただし、皮肉的にも暗闇のステージがあまりにもつまらないからこそ、屋外ステージがより面白く感じるという効果はある。

ショットガンやアサルトライフルなどを撃つ敵が導入されており、目視ではかなり避けづらい。常に横歩きをしていないとほぼ確実に弾に当たってしまう。Serious Sam 2でもショットガンゾンビという回避が難しい攻撃を仕掛けてくる敵が居て、相当評判が悪かった。ただ、今回の人型の敵はハンドガンで一撃を加えれば確実に怯んで隙ができる為、ハンドガンで怯ませつつ接近したり、身を隠すという戦法も可能である。

また接近状態でEキーを押すと近接攻撃が発動する。銃を装備している場合はキック(敵にもよる)、近接武器を装備している場合は即死攻撃という風になっており、ハンドガンで複数の敵を怯ませつつ、接近してキックを繰り出し、敵が空中に浮いている間にトドメを刺すというコンボ技も繰り出せる。しかしながら、即死攻撃技はアニメーション中に隙ができるというデメリットがあるものの、ザンギエフ並の吸い込み率で発動が可能であり、いささか強力すぎるきらいは否めない。

今回は近接武器にスレッジハンマーが導入されている。スレッジハンマーを振ると視界が揺れて周りの状況が分かりづらくなるものの、攻撃を当てれば確実に敵を倒せる。クリックしているだけで敵を倒せたSEのチェーンソーよりは使いづらくなっており、FEのナイフのように扱いに多少のスキルが必要になっているのは良い。

カミカゼは移動速度が下がっており、スプリントすれば追いつかれることはない。上手く誘導して連鎖させることも簡単になった。ただし、今回のカミカゼは爆発時に煙を大量に発生させる為、視界が大幅に制限される。煙の向こう側から「アッー!」が聞こえてきて、恐怖することもしばしば。その為、いつ倒すか、どこで倒すかも重要になっている。

序盤はDOSゲー、中盤以降はシリアスサムという構成になっており、スタイルの移り変わり、世代交代の変換を感じさせる作りは感慨深いものがある。今までに比べて展開がスロースターターではあるものの、そのお陰で中盤以降もダレが少ない。個人的に過去作は武器のインフレが早すぎて後半に飽きを感じてしまったのだが、今回は強力な武器の出現が抑えめで弾薬のやりくりが必要になっており、今のところダレを感じていない。大嫌いなアリーナスタイルもほとんど無くなっており、これも私好みである。モダンになっているとは言え、体力やアーマーは相変わらず有限であり、リソースの管理も重要である。今年はPainkiller:Redemption、Hard Resetくらいしかまともなシューターが無かったなぁというオールドスクールファンは買うべきだ。ただ、今までよりもシングルプレイが重視されている傾向が強く、多人数プレイには向いていない場所が多いと思う。

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