The Cursed Crusade – 現実は生き地獄(1)

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呪われた十字軍を題材にした剣戟アクション。父親を探しているデンズと傭兵のエステバンは現実と地獄を行き来しながら、協力して敵と戦うことになる。プレイ中は常に二人で行動し、オンラインCOOPにも対応している。開発は名作Bet on Soldierを手掛けたKylotonn entertainmentが担当。

傭兵のエステバンは悪夢に悩まされていた。ある日、エステバンが悪夢に襲われているところで、十字軍の兵士デンズと出会う。デンズも同様の悪夢に悩まされている一人だが、彼は悪夢に勇敢に立ち向かい、恐怖に怯えるエステバンを奮い立たせる。共通した悩みを持つ二人はやがて意気投合し、一緒に旅をすることになるという設定。旅の目的はデンズの父親探しと悪夢の消滅。悪夢は血筋や罪に原因があるのではないかと思われるが、実際のところはどうか分からず、その真意が物語の核になりそうだ。

物語が重視されており、ステージの間には必ずカットシーンが入る。基本はシリアス調だが、軽いノリの部分もあり、それほど重々しさは感じない。洋ゲーチックな見た目に反して、日本のアニメや漫画的な展開に近いところがあるのが意外かつ特徴的。そういうノリに抵抗がない人なら楽しめるのではないだろうか。

アクションの挙動はB級的な垢抜けなさがあり、ヒット感や操作感はいまひとつ。敵の防具は攻撃することで外れていくのだが、Bet on Soldierほど派手ではなく、地味に収まっている。左クリックと右クリックをタイミング良く押すことでコンボが発生するが、押すタイミングをエフェクトで知らせてくれたりしないので分かりづらく、コンボが途切れることもしばしばでタイミングの分からない序盤は爽快感に欠ける。

コンボは武器毎に存在し、武器は剣・大剣・鈍器・槍・クロスボウなどがある。一度に複数の武器を所持でき、片手武器なら二刀流が可能。二刀流と片手持ちでもコンボの種類が異なり、剣×剣や鈍器×鈍器や剣×鈍器でもそれぞれコンボが違う。敵の落とした武器は拾うことができ、長時間同じ武器を使用し続けると壊れてしまう為、適度に変える必要がある。武器の強さは数値化されておらず、例えばどの剣が強いのかは分からないようになっている。もしかしたら、見た目が違うだけで能力自体は変わらないのかもしれない。

ステージ毎に成績が表示され、その結果で獲得ポイントが異なる。ポイントはステータスとコンボスキルに割り振ることができる。ステージによって登場する武器が異なるので、登場数の多い剣や鈍器のコンボに満遍なく割り振るのが正解だろうか。コンボが増えれば増えるほど連続攻撃を繰り出せるようになるので、コンボが充実すればするほど無双プレイが楽しめる。

敵の体が光っている最中に特定のボタンを押すことで攻撃を弾いたり、回避することもできる。判定は甘めであり、ボタン押しが苦手な人でも苦労はしないだろう。つばぜり合い時にもQTEがあるが、こちらも判定が甘く、簡単にできている。個人的にQTEは大嫌いだし、QTEが出てくるアクションゲームは概ね駄作だと思っているが、本作のQTEは手軽なバランスであり、アクションのテンポを大きく損ねるようなものではないので許容範囲。戦闘はタイミング良くボタンを押していく感覚が強く、立ち回りや間合い取りはそれほど必要ではない。ちょこまかと動くより、パリィで弾いて攻撃した方が楽である。

相方が敵を掴んでいる間に攻撃したり、二人で協力して攻撃することも可能であり、協力している感じを味わえるようになっている。ただし、それぞれがかなり強いので、雑魚ならば勝手がってに撃破できるので協力はそこまで必要ない。手軽な爽快感を重視していると考えた方が良いだろう。

カメラワークはやや癖のある動きだが、慣れれば問題はないだろう。フィニッシュムーブ時にカメラワークが変わるのだが、もう少し派手に見せたり、エフェクトをかけたりした方が爽快感を高められたのではないかと思う。こういうところが地味でB級感を与える。また、クロスボウ使用時の照準の動きがカクカクしていて、気持ち悪い。使用頻度は高くないのが救いだが、こういうところにもB級的な臭いを感じる。

敵を倒すとHellゲージが溜まり、Cキーを押すと辺りの風景が地獄に変化する。敵はゾンビのような姿になり、ほぼ生身と化すのでダメージが通りやすくなる。時代劇のごとくバッタバッタと敵をやっつけられるというわけだ。この状態では魔法を放つこともでき、現実世界とは少し違ったプレイ感覚が味わえる。ゲージは溜まりやすいので現実世界の敵に苦戦する場合は積極的に使用すると良い。また、地獄でしか現れない敵を倒すことで成績に影響を与えたり、地獄の世界でパズルを解くことで現実世界の障害が無くなるというパズル要素もある。地獄の存在がちょっとした変化を与え、チャンバラ一辺倒なゲームにしていない。

コンシューマー向けのアクションゲームであり、これといって特徴もないのだが(剣戟にしても地獄モードにしても)、The First Templarよりかは戦闘に爽快感があるし、主人公コンビの雰囲気は悪くなく、ストーリーも若干気になる。相場的にフルプライスだと厳しい内容だが、三割引きなら十分有りという印象。The First Templarほどのガッカリ感はない。

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