Demon’s Souls – ゼロサムゲームは繰り返す(7)

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ボーレタリア王城の先は濃霧が行く手を阻んでいる。今の私ではソウルが足りないということか。仕方がないので嵐の祭祀場に挑戦することにした。ここは他の場所に比べて明るく、地形も広いので戦いやすそうだ。門の辺りまで進むと、骸骨が突然立ち上がるやいなや回転しながら襲ってきた。すぐさま盾を身構えて攻撃を防いだが、骸骨は立て続けに剣を振り回す。その間に距離を取ろうとすると、骸骨は再び回転しながら急接近を試みてくる。

回転しているときは迂闊に近寄れないため、チャンスは攻撃を仕掛けようとしてくる時しかない。特に大振りをしてくる時が絶好の機会だ。ひとまず回転は盾で防ぎ、隙を見せるのを待つ。ちょうど大振りしてきた時に速攻で剣を振り切ると、見事に命中。その衝撃で骸骨が少しよろめいたので続けて攻撃をすると骸骨は大量のソウルを残して倒れた。なかなかの強敵だけあって、ソウルの量も並ではない。

先程の戦法で骸骨兵を一匹ずつ片付けていくと、強い殺気を入り口の方から感じた。骸骨は倒したはずだが、また新たな刺客か、もしくは罠だろうか。いやな汗が吹き出してくる。慎重に入り口の方へと近付くと、赤いオーラに包まれた戦士が飛び出してきた。坑道に続いて、またしてもファントムのお出ましだ。胸の鼓動が急に激しくなってくる。

慌てて武器を構えるが、ファントムはこちらを見ると突然奥の方へと走り出した。何か策を用意しているのか。嫌な予感がする。そう安々と罠に引っかかるわけにはいかない。見晴らしの良い入り口まで行き、ファントムを待ち構えることにした。壁の後ろに隠れ、息を潜めていると、しびれをきらしたファントムがやってくるのを感じた。目と鼻の先まで近付いてきた時を見計らって、剣で斬りつける。攻撃は見事に命中し、スタミナの限り連撃を加える。ファントムは致命傷を負ったようで、来た道へと引き返そうとした。そうはいかないと全速力で追いかける。

すると、ファントムは急に停止し、無骨で巨大な剣を振り上げた。とっさに後ずさり、間一髪のところで回避する。ファントムは大きな剣を振り回すのに体力を使い、ほんの一瞬隙が出来た。そこへすぐさま攻撃を叩き込むと、ファントムは消滅した。初めて見る巨大な剣に驚いたが、扱い慣れていなかったのか、なんとか事無きを得た。せっかくデーモンを退治して獲得した生身の体を失うわけにはいかない。

ほっと一息つき、再び探索を続ける。砦には骸骨兵がうようよいるが、対処法が分かった今はもはや敵ではない。ヘマをしない限り、負けることはないだろう。骸骨退治はソウル稼ぎにもってこいかもしれない。

しかし、そうは問屋が卸さなかった。また強い殺気を感じる。これは間違いなくファントムの侵入だ。ダンジョン内はほんとに気が休まることがない。次はどこから来るか。砦の上から周囲を見渡すが、それらしい姿は見当たらない。

と思ったその時、後ろから急に斬りつけられた。「しまった!」と後悔した時はすでに遅し、大打撃を受ける。次に攻撃をくらったら間違いなくソウル体だ。

死を予感した私は回復するためにひとまず逃走しようとした。下へ飛び降り、通路へと避難したが、その先は行き止まり。体からサッと血の気が引いていくのを感じる。引き返そうとしたが、すでにファントムが回りこんでおり、追い込まれた。覚悟を決めて攻撃を仕掛けるが、それを先読みされ、先手を打たれた。そして、体からこれまで溜め込んだソウルが抜け、ソウル体へと舞い戻る。またこの体か。真の敵はデーモンやモンスターではなく、ファントムなのかもしれない。

これが初めてのプレイヤー戦です。ファントムが侵入してくると、下部に「○○が侵入しました」というメッセージが表示され、知らせてくれます。これを初めて見た時は思わず身震いしてしまいました。こんな感覚を味わえたのはUltima Onlineで外人さんにPKされた時やDark Age of Camelotでアレな人に絡まれた時以来かもしれません。戦闘は普段のAIとは異なり、非常に歯応えがあり、いつも以上に熱い駆け引きを楽しむことができました。デモンズの対人戦はペナルティが少なく、コミュニケーション手段が制限されており、生身の時しか襲われない(=襲われたくなかったらソウル体で活動すればいい)お陰で、後腐れのない戦いが構築できているのだと思います。制約のバランスがほんと絶妙、こういうところはやはり日本のメーカー(いやフロムというべきか)はうまいですね。ちなみに嵐の祭祀場ではこの後も何度かファントムに襲われることになりますが、それはまた数日後の日記で。

コメント

  1. ファントム戦争きたのですね!(^o^)
    アーマード・コア4とかもそうですけど、対戦が始まる少し前は緊張しますね。
    洋ゲーの対人ゲーとちがって、フロムゲーだと緊張するのは、相手のアセン(キャラタイプ)を想像する余地があるからだと思います。
    (洋ゲーは良い意味でシンプルにバランスが取れすぎていて、余り考える余地がないかな?)
    どんなタイプかな?相手しやすいタイプだと良いな、とかですね(^o^)
    お互い、手の内の探り合いがあるから楽しいのだと思いますね。
    AC5も、地形などの駆け引きが増えそうなので、対人はちょっと楽しみです。
    「アーマード・コア」としては、今の情報ではガッカリですが。

  2. 対人戦で真価を発揮するような武器もあり、組み合わせ次第で有利になったり、不利になったりすることがありますね。
    仰るように力の探り合いが面白いです。こういう対人戦を楽しめるARPGって珍しいですね。

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