ArcaniA: Gothic 4 – 失われた情緒(1)

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基本的な雑感についてはDemoの記事に書いたのでそちらを参照願いたい。Demoのクエストは色々な部分が混ざった構成になっており、製品版と異なる。序盤にとある出来事が起こり、主人公は旅に出ることになるのだが、この出来事は開発のインタビュー記事で知っていたので驚きはなかったものの、展開が唐突過ぎる感が否めなかった。母親や婚約相手のキャラがあんまり立っていないのが問題だろうか。アニメ声の魔女のインパクトが強すぎて、村人の印象がまったく残っていない。いくら田舎町とはいえ、婚約相手はもう少し可愛らしい方が感情移入できたのではないかという気もする。

次の大陸に渡るとゲートを開けるためにクエストを攻略することになる。徐々にエリアが開けていく感じは本来のGothicらしさを感じる。遠景は美しく、天候の描写や昼夜のサイクルは自然でよくできている。海岸側には少し開けた草原があり、山の方に行くとガチガチの一本道が用意されている。山は岩に囲まれており、見えない壁が阻んでいるため、窮屈な印象が強い。一部の場所はジャンプで強引に岩の上に乗ることもできるが、そうすると主人公が空中に浮いた状態になったり、見えない力に引っ張られて崖下に落とされたり、湖に触れた瞬間に即死したりするのであまりムキになってレールプレイに歯向かわない方が良さそうだ。


・レールプレイに歯向かった結果(空中に浮いている)

遠景を見ていると一見広そうだが、期待させるほどの自由度は今のところない。狭そうに見えて、ロケーションが豊富で移動に自由があったRisenとは逆だ。Gothic 4もストーリーを進めれば色んな場所へ行けるようになるかもしれない・・・と期待しておこう。ちなみにウラワザ的ではあるが、クエストをクリアしなくても山の上から下っていくことでゲートをすり抜けることも可能。しかし、フラグに不都合が起こりそうなので一応クエストを完了させておいた。

クエストの内容は土着的な身近なトラブルを解決するものが多く、Gothicの雰囲気を少なからず感じられる。特徴的な人物は居るものの、キャラクターが使い回しだったり、声優が同じ人だったりで興醒めさせられるのが残念なところか。あと、Gothicのキャラクターや神の話が出てくるが、Spellbound側が好き勝手に設定や解釈を創作しているので原作ファンからするとイラッとくる部分はあるかもしれない。たとえば、インディージョー○ズがルー○スとスピル○ーグにレイプされる感じというか、Fall○utがBeth○sdaにレイプされるような感じだ。

難易度Gothicで進めているが、これでもGothicシリーズに比べるとぬるい。難易度Gothicにすると敵の攻撃力が異様に高くなるが、回復アイテムが贅沢に手に入り、連打回復が可能なので困らない。Demoに比べて敵のパワーアタックや魔法の発射速度は上がっており、すぐに発動するので複数に囲まれるとそれなりに緊張感はある。やはりライトニングの魔法は強く、これを打撃と併用すればハメ殺しができてしまう。マナの回復速度は低く、レベルの低い内は数発しか撃てないようになっているのが救いか。

ステータスは自動で上がり、スキルは大幅に簡略化されてしまい、キャラクター育成の面白みは少ない。人の家のアイテムを取っても咎められることはなく、スリもできないため、スニークのスキルは趣味と化している。装備品によるステータス補正が高く、装備品次第で戦闘タイプが変えられるくらい影響が強いので後からでも取り返しがつきそうだ。Gothicの縛りプレイ的な育成要素は薄れ、全能感(俺TUEE!)を味わえるのが本作の特徴といえば特徴だろうか。

期待通り、装備品の種類はなかなか多く、属性武器が出てくるし、両手持ちの鈍器が意外に優遇されているのも嬉しい。多勢を相手にすることも可能になったスピーディな戦闘システムもこれはこれで悪くない。Gothicの異国情緒は薄れ、特徴の薄い平凡な内容だが、クエストマーカーは親切丁寧に場所を教えてくれるし、システムは単純なのでRPGの入門用として向いているのかもしれない。Gothicの続編と考えなければ個人的にはアリなゲームだ。

コメント

  1. うわ、すげーきれいだな。スペックいりそう

  2. うちの環境では中~高設定で20~30fpsを推移してます。
    かなり重い部類に入りますね。

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