S.T.A.L.K.E.R.: Call of Pripyat – 一見さんお断りのファンディスク(1)

S.T.A.L.K.E.R.シリーズ第三弾。ゲームシステムや世界観は引継がれ、今回もZoneの物語が描かれている。Call of PripyatのストーリーはShadow of Chernobylの後日譚であり、時系列では一番最後の話となる。Clear Sky→Shadow of Chernobyl→Call of Pripyat。これまでのストーリーは冒頭で紙芝居形式で語られる。

マップは新規のものになっているが、素材(オブジェクト、キャラクター、テクスチャなど)は流用されているため、既視感を覚えるのは仕方のないことだろう。

Shadow of ChernobylやClear Skyは一つのエリアに対して大規模な建物が一つ用意され、エリアがブツ切りで点在している形だったが、今回はエリアが広めに作られており、その中に中規模な建物や観光名所的なロケーションがいくつも配置されている。ロードを頻繁に挟まず、没入感が持続しやすい。

今回は放浪や野宿をしているストーカーが結構いて、野戦に興じている姿をちらほら見かける。前作に比べて若干ではあるが、生活感が増している印象を受けた。AIの動きには大きな変化は感じられない。ただ、Clear Skyに比べてグラナータを投擲してこなくなったように感じる(Clear Skyは投げすぎ!)。

重さはClear Skyと同程度。DX11に対応したが、私の環境では試せないので割愛。今までの2作は安定度に問題を抱えていたが、今回は非常に安定している。今のところフリーズやCTDは発生していない。先発のロシア版が犠牲になってくれたお陰だろう。初期リリース版は不安定なのがS.T.A.L.K.E.R.の特徴だったので、今回は洗練されすぎてファンとしては一抹の寂しさを感じるかもしれない。

マップが広くなり、遠くまで見渡せる場所が増えたが、そのせいで草のポップアップ表示が気になってしまう。遠くから見ると禿山でも、近づくと草がポコポコと生えてきて違和感がある。ここらへんはもう少し調整を煮詰めて欲しかったところだ。

内容はこれまで以上に一見さんお断りの雰囲気が漂う。親切なチュートリアルはなく、マップに放り出された状態からスタートする。今まではトレーダーのおっちゃんが親切に手ほどきしてくれたが、そんな人は居ない。ゾンビやブラッドサッカー、強い銃器が初めから登場し、「前2作の経験を活かしてサバイバルしてね♪」という感が強い。

サブミッションNPCが多くなっている。サブミッションの内容も前2作の類型的な感じに比べれば充実。前作のメインミッションとサブミッションの中間くらいの内容が、今回はサブミッション扱いで盛り込まれている。

クイックスロットに4つまでアイテムを登録できるようになり、アイテムを使用しやすい。今回はドーピングアイテム(一時的に能力を上昇させる薬)が登場し、アイテム数が大幅に増えたのでクイックスロットを設けたのだろう。

ベッドで眠れるようになり、時間調整が簡単に行えるようになった。夜はフラッシュライトだけでは探索が不可能なほど暗いので、ナイトビジョンが使えるようになるまでは重宝しそうだ。ちなみに主人公は時間が経つと空腹を感じる。寝た後はたいていハラペコ状態だ。

相も変わらぬS.T.A.L.K.E.R.。Zoneの希有な体験はS.T.A.L.K.E.R.でしか味わえない。Call of Pripyatは「本編とMODはやり尽くした。まだまだZoneを食い足りねぇよ!」という人におすすめな内容かもしれない。FPSで言うところの拡張パック、エロゲーで言うところのファンディスク的な内容か。S.T.A.L.K.E.R. 2はCry Engine 3で開発が予定されており、今度は素材も一新してくるだろうからリリースまでは相当時間がかかると思われる(GSC Game World的な意味で)。もしかしたら最後になるかもしれないS.T.A.L.K.E.R.を心ゆくまで楽しむとしようか。

とことで、以下からS.T.A.L.K.E.R.: Call of Pripyat日記。説明だけではゲーム内容を伝えにくいので、プレイ日記と併せて記述することにした。人によってはネタバレに感じるかもしれないので注意してほしい。
探索一日目 – 再訪

一丁のアサルトライフルと僅かな食料を携え、再びZone/ここにやってきた。相次ぐ調査隊の失踪。その原因を掴むのが今回の任務だ。任務を引き受けた一番の理由は報酬が破格だったから。だが、失踪事件について興味があったのも事実だ。

数ヶ月前、ここから運良く生き逃れることができた。だけど、ここでの出来事は忘れることができなかった。脳裏にべっとりとこべりついて離れないんだ。目を瞑るだけでここの映像を鮮明に思い出すことができた。

なにかきっかけがあれば・・・できることなら再び戻りたいと願っていた。まさか早々にそのチャンスがくるとはな。なにが起こるか分からないものだ。

Zoneに侵入すると、二人のストーカーが出迎えてくれた。こっちが銃を構えていたもんだから、やっこさん鬼気迫る顔で注意してきたな。つい、うっかりしていたぜ。

その二人組に近辺の集落を教えてもらった。昔、ここらへんは川だったから、あちこちに廃船が散らばっている。それを集落として利用しているようだ。

前に来た時よりも地殻変動が進んでいる。大地は裂け、その亀裂から轟々と蒸気が吹き出す。そういう光景がいくつも広がっている。誰かが言ってたな。Zoneの神秘だったか。そんな大層なもんには思えねぇがな。だが、確かにここではおかしなことがよく起こる。

目的の廃船を見つけ、中に入れてもらう。そこでは十数人のストーカーが生活していた。彼らは何のためにここに居るのだろうか。ふと疑問が浮かぶが、いちいち尋ねたりはしない。ここでは余計な詮索は無用。それが掟だ。それに変な情を持つと、厄介なことになるからな。

ここに居るストーカーからお金儲けの話を持ちかけられた。近くの廃船を掃除すれば報酬をくれるそうだ。今の装備は心許ないし、先立つ資金もない。調査隊捜索任務の準備を整えるために引き受けることにした。

廃船掃除は夜に決行する。夜まで長いので睡眠を取ることにした。ここに来るまでずいぶん長旅だったからな。ベッドを借りて、横になった途端に睡魔に襲われる。ずいぶん疲れていたようだ。

ストーカーから叩き起される。予定の時間までぐっすりと眠ってしまった。準備を整え、目的の廃船へと向かう。こちらは5人、向こうは10人ほど居るらしい。分は悪いが仕方ない。そのために夜まで待って、奇襲作戦を実行することに決めたんだ。

こっそりと忍び込み、見張りを片付けた。だが、仲間の一人が物音を立ててしまい、相手に感づかれてしまったようだ。廃船の中は怒号が飛び交う戦場と化した。

一心不乱に戦い続け、勝負はこちらが頂いた。しかし、戦果は芳しくない。残ったのは仲間のリーダーのみ。廃船掃除の目的は達成できたが、その代償はあまりにも大きかった。リーダーに慰めの言葉を掛けようとしたが止めておいた。焚き火に当たりながら物思いに耽るリーダーの横顔を見ているといたたまれなくなったから。無言で報酬だけ頂いて、そこを後にした。

外は暗闇に包まれている。月明かりはなく、星ひとつ見えない。頼りになるのはフラッシュライトの僅かな光だけだ。犬の遠吠えが聞こえる度に身を震わせながら、集落を目指して歩いた。遠くに見える集落の明かりを発見した時、これまでにない安堵を感じたよ。

探索二日目 – 日常茶飯事


突然、空模様が目まぐるしく変わる。ここでは何が起こっても不思議ではないが、その光景はこれまで体験した出来事の中で一番奇妙だった。たまたま周辺に居たストーカーに尋ねると、これがエミッションらしい。

そいつの話によると、エミッションの間は建物の中に非難した方がいいということだった。エミッションの影響で頭がおかしくなったやつ、突然意識不明に陥ったやつがたくさんいるそうだ。素直にその言葉に従い、エミッションが済むまで建物の中で過ごした。

沼を探索していると、アーティファクトレーダーに反応があった。その反応の正体は廃船の中にあるようだ。廃船はならず者の侵入を拒むかのように、放射能に満ちている。ガイガーカウンターが嫌な音を奏でている。

ウォッカを煽って、中を探索することにした。もしかしたらアーティファクトが見つかるかもしれないからな。ここではアーティファクトが高値で取り引きされる。資金不足の役に立つだろう。バカと金持ちは光物が好きだ。何の役にも立たない小石に大金を支払う。人の趣味にとやかくいうつもりはないが理解できない。

反応を示していたのは船の舵だった。その舵は青白く光り輝き、まるでアーティファクトのようだ。どこかで役に立つかもしれないので持ち帰ることにした。

船を出ると一人のストーカーが声を掛けてくる。「その舵をくれれば治癒効果のあるアーティファクトをやる」だって?どうやら、この舵は貴重なもののようだ。せっかく努力して手に入れたものを手放すのは癪なので断ってやった。すると、やっこさん。銃を構えて発砲してきやがる。良い度胸だ。返り討ちにしてやる。

探索三日目 – 声無きもの

調査隊ヘリの情報を掴む。そのヘリは沼の中心に墜落しているらしい。もしかしたら何か手掛かりが見つかるかもしれない。早速、墜落場所へと移動した。

沼の真ん中でヘリの残骸を発見。しかし、問題はどうやって近づくかだ。沼は意思を持っているかのように蠢き、周囲にはただならぬ雰囲気が漂っている。

このままでは埒が開かない。イチかバチか近づいてみることにした。なるべく水に触れないように移動する。半分くらい進んだ辺りで、肌を焼かれたような痛みを感じた。ヘリに到着すると手早く調べ始める。どうやら、このヘリは電気系統の異常で墜落したようだ。残念ながら役立つ情報は得られなかった。

探索四日目 – 命は石より軽い

失踪したストーカーの捜索依頼を引き受ける。依頼主と共にブラッドサッカーの巣へと向かう。

ブラッドサッカーは身体が透明になる能力を持っている。その能力を活かして、奇襲を仕掛けるのがやつらのやり方だ。今までその手口でやられたやつを何人も見てきている。

巣へと到着すると、さっそくブラッドサッカーのお出ましだ。音を注意深く聞きながら、身体を現した時に銃弾を叩き込んでやった。

建物の奥へと進み、エレベーターを降下。すると、そこではブラッドサッカーがおねんね中。こいつら立って寝てやがる!お行儀がいいというか、こんな可愛らしい一面があったとはな。

依頼主は「ブラッドサッカーは寝付きがいいから、こっそりと移動すれば大丈夫!」とか言いながら奥へと進んでいく。いやいや、大丈夫とかいう問題じゃないだろ。ここで暮らしている人間は感覚が麻痺している。Zoneでは命なんてアーティファクトよりも安い。

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