最近の海外ゲームは出来の良いゲームが多すぎる。特にインディーに感心した

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・海外ゲームには練られたストーリーが少ない。海外ゲームには失望した
・プレイした数百本の中から選ぶ、ストーリーが良いPCの海外ゲーム

Twitterを眺めてたら流れていたので見てみた。数百本プレイしていると言っているが経験値が足りない。アンテナ、選球眼が低いのを責任転嫁しているように見えますね。

あとストーリーの定義が曖昧で突っ込まれている。友情のことについて言ってるのでロマン主義的な思想が好みかなぁと察するものの、ロシアや東欧のゲームも挙げていたりするのでますますストーリーってなんだよ(哲学)となる。Cryostasis、Metro 2033にしろ、教訓に近いものはあるのでそこに惹かれているのか? 彼(彼女)の言っているストーリーはゲーム性という言葉に近いものがありますね。そこでモニョってる人が多いんじゃないでしょうか。

私が面白いと感じるストーリーはこれからどうなるのとわくわくさせるもの、プレイを盛り立て飽きさせずに続けさせるもの、こうだと思ってたら実はこうだったとうまく騙してくれるもの(ミスリード)という感じですかね。言葉にすると難しいですけど最後まで展開が気になるようにできていたら合格点を与えられると思います。ゲームにおける物語の位置づけってそういうものでしょ? ゲームからなにかを得ようとするのがそもそも間違いというか、そんなに教訓を得たいなら有名人のエッセイとか自伝を読んでた方がいい。

「Final Fantasy XIIIのムービーシーンが長すぎる」の批判はムービーシーンがつまらないからで説明できるし、国内のゲーマーだってムービーのことをFF7の時代から批判しています。合理性が薄くて共感しづらいキャラクターがだらだらと要領の得ないことを喋ったり、面白みのない抽象的な映像や安っぽいソープオペラや説教臭いオヤジの繰り言がだらだら長過ぎ、戦闘や探索が不十分だから批判されるのであって、ゲームプレイを邪魔せずに盛り立てて興味を引いてくれるようなムービーならそこまで批判されないはずです。

The Witcher 3もカットシーンは多いがFF13ほど批判はされていません。これは世界設定やキャラクターの説明を十分に行い、それにもとづいてカットシーンが構成され、戦闘(アクション)や探索も十分すぎるほどに用意されており、ゲームプレイをストーリーが盛り立てているから。十分というのは難しいもので、多すぎてもいけないし、少なすぎてもいけない。バランスが大事。押し付けがましいものは嫌われるし、説明のないものも批判されます。ゲームなのだから実際にキャラクターを操作しながらその世界固有の現象が自然と伝わるようなものが望ましいと思います。

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ストーリーの面白さはプレイヤーに左右される

良い、悪いというのは個人で左右されるものだと思います。明確な答えのない創作物において、良い悪いなんて答えを出しようがありません。ある人にとって90点のゲームも別の人から見れば50点かもしれない。今までどんなゲームをしてきて、どんな価値観を持っているか、人それぞれなのだから評価なんて割れて当然。初めてゲームをプレイした人はそのゲームを面白いと感じても、何千本もゲームを遊んできた人にとってそのゲームは凡百な一本に過ぎないかもしれない。これは映画でも小説でも漫画でもアニメでもドラマでもなんでも当てはまります。その人にはその人なりの評価基準があって、良し悪しといってるんでしょうけどそこまでの説明をしている人はあまりいないですよね。

私はThe Vanishing of Ethan Carterは本当によくできていて面白いと感じましたがGone Homeは面白いとは感じませんでした。どちらも海外ではウォーキングシミュレーター(戦闘のないFPSの蔑称)と揶揄されるもので似た性質のゲームです。ネタバレになりますがThe Vanishing of Ethan Carterは火事で亡くなった少年の心象世界を少年の作ったスーパー超能力名探偵が探索して少年の魂を救済するストーリーであり、Gone Homeはレズの妹が家出してもぬけの殻になった家を事情の知らない姉が探索するストーリーです。イーサンは自分で小説を書くくらい本が大好きで他人との関わりを好まず、自分の世界に没頭するのが好きな少年。一方、サマンサはパンクやオルタナが好きで友達がいてレズの恋人がいるリア充です。

私はSF小説が好きで他人との関わりを好まず、自分の世界に没頭するのが好きだったのでThe Vanishing of Ethan Carterには非常に共感できました。しかし、パンクやオルタナはあまり好みではないし、友達もほとんどいないし、同性愛者でも同性愛差別主義者でもなければ娘もいないので、Gone Homeは隣の家の出来事、対岸の火事、共感や現実味を感じられなかったのが面白くなかった要因だと思います。共感や現実味というのはストーリーにおいて重要なもので、これがあるかないかで没入できるか、興味を引くかも変わってきます。あとイーサンは推理小説のような謎をしっかり用意してプレイヤーに考察を促していたのがのめり込める要因の一つかなと。

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ちなみにこの記事はThe Vanishing of Ethan Carterのアサルトマーケティングです。

日本のゲームにガキが多く、海外のゲームにおっさんが多いのはプレイヤー層に合わせているからで、ケツの青いクソガキがお花畑じみた理想並べて世界を救ってるのは私も共感できないですかね。世界を救う方法にどうやって現実味を持たせているかでも違いますけど。多分、そこの説明が色々と抜けていると批判されてしまうのではないでしょうか。

魔法少女が世界を救うのは馬鹿げていると思いますけど、思春期のメスガキのピュアな悲しみや憎しみがすごいマジ力になるから魔法少女は世界を救えるという説明がされているのなら納得できると思うんです。あとフレッシュな女の子じゃないと魔法少女になれなくて魔法使えないとか。おっさんやおばさんは魔法少女にはなれないし、魔法少女は一般人のパパやママに相談はできないんです。そこに悲哀や感動がある。世界を救うためのそういう初歩的な説明すら抜けているゲームあったりしませんか? 世界を救うヒーローがチャラチャラしたビジュアル系のカッコしていて、なぜその格好をしているのか説明がないとか。服屋とのタイアップとかそういうのは聞きたくないです。もうその時点で馬鹿らしいというか。そもそも世界を救うってなんだよ。

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結末に救いがない、海外ゲームは多いかもしれません。そんな簡単にハッピーになったり、世界を救えるわけないじゃないですか。良かれと思ってした選択が悪い方向に働いてしまったり、感謝される一方で恨みを買ったり、人間とはどうあるべきかと実存的な方向で考えさせるものは海外のゲームの方が強い印象があります。ただ、これって十分、教訓になっているというか、そこのブログの人にはなってないようですけど、個人的には得たりするのものはあると思うんですよね。Spec Ops: The LineやSherlock Holmes: Crimes and PunishmentsやVampire: the Masquerade – Bloodlinesは功利と利己の間で揺れ動き、Zeno Clashでは家族愛を考えさせられたし、You Are Emptyには全体主義の恐ロシアを学んだ。

もちろん、日本のゲームだって考えさせるものはあるし、特にエロゲーはモラルを問うようなものが強いかもしれない。これは選択肢そのものがゲーム要素というのもありますし、18禁だからなんでもできるというのもあります。おまけにノベルゲーは低予算でできて、ライターが好きなことを制約なく書けるから伝えやすい。アクションゲームだとそうはいきませんし、前述したように会話のカットシーンばかりなら長過ぎると批判されるでしょう。お客さんはアクションをやりにきたのですから。※ちなみに最近は絵すらないテキストのみの海外ゲーム(ゲームブックに近い)がSteamで売られていたりします。海外にはテキストゲーがない、ノベルゲーがないというなら遊んでみて、どうぞ。

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個人作家が頭角を現す時代になった

2000頃から洋ゲーを本格的に遊び始めましたが最近のPCゲームはできすぎているという印象が強いですね。2004年(FarCry、Painkiller、Half-Life2、Doom3)からグラフィックの水準が一気に上がり、2011年頃にインディーが頭角を現してきたように感じます。2000年台の小さいメーカーの洋ゲーは本当に出来の悪いゲームが多かったですよ。物語も含めてね。おまけに輸入やらなんやらでどんなゲームでも数千円かかった。最近は数人で作ってるようなインディーメーカーが日本の大手メーカーのゲームに匹敵、というか凌駕していて日本人としては歯がゆさを感じる方が強いです。実態が見えないだけで著名な日本のメーカーも数人規模で作ってるところもあるんでしょうが。北米に優秀な人財が流れ、もしもしゲーで目先のことしか考えず、先端技術に投資せず、KPIKPIいうてる人間を見るとほんと情けなくなるというか、全然ロマンを感じません。もちろん、海外でもそういう傾向はあるんでしょうね、見えてないだけで。

海外のインディーメーカーには本当にロマンを感じるというか、自分たちの作りたいものを一生懸命作ってるんだなって熱いものを感じます。日本だって同人ゲームで頑張ってる人はいるんでしょうけど一般PCゲームのアンテナまでは引っかからないというか、一定の水準までには達せず、という印象が強いでしょうか。何十億人と一億人を比べてもしょうがないですが。規模が違いますから。あとitch.ioGame Joltなどで配布されているフリーゲームまでは追い切れなくて自分はまだまだだなと感じます。そのへんは青龍さんが発掘しまくっているので見とけよ、見とけよー。

あと、ゲームエンジンが続々と無料で試せるようになっており、DCCツールも無料で優れたものがありますから、最近のゲームはつまらないというなら自分で面白いゲームを作ればいいのです。UE4Blenderをダウンロード、しよう!(アサルトマーケティング)

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コメント

  1. アサルトマーケティングなのに
    The Vanishing of Ethan Carterのネタバレをするのはやめてくれよ(絶望)

  2. ネタバレがアサルトすぎて草生える。イーサン君のは進めるうちに自然と「あっ…(察し)」となるようにできていたのがよかったと思う。
    あと海外ゲーほど人生観が強く反映されているものはないんだよなあ…。
    大味なストーリーになりがちな大作でも、テーマとかサイドクエストとか部分的にでも強く訴えてくるところはありますあります。

  3. ガッツリネタバレfpsunknown。嬉しいダルルォ?
    イーサンは殺人事件だと思わせておいて実は自己救済の話で、自分の作ったキャラが自分を救い出してくれるというのが琴線に触れまくりましたねぇ。家族との距離感もせつなくてよかった。
    海外はUltimaの時代から徳を説いていましたからねぇ…。今更なにいってんだって話ですが…。
    インディーゲームは特に作家の個人の心情が強く反映されているというか、ダイレクトに響くものがありますねぇ!
     
    白騎士物語、とともの、アトリエシリーズ、ニーア、デモンズソウル、キラーイズデッド、ダークソウル、エンド オブ エタニティとかはやりましたけど特に最近の日本のゲームの物語が優れている印象は無かったです、ハイ。
    海外だの日本だの言わずに楽しく遊ぶのが一番だと思った(こなみ)

  4. うーーん
    海外ゲームの方が出来が良いのはもう絶対間違いないんだけれど、
    でも自分も結局日本製のゲームの方がしっくりくることも多いんだよなあ
    どうも海外ゲームはゲームへの没入感が強すぎるというか
    楽しみがある方面に一点突破するように作られている感じがある気がするんだなあ
    例えばBanishedも冬の心配をして今年はいくつ家建てるか悩むのはめちゃくちゃ楽しくて数時間吹っ飛んでいくんだけども、バニラだと家の外観は変えられないし、街をショウアップするためのアイテムなんてほとんどないし、THE SIMSもキャラ同士の絡みはめっちゃ見てて楽しいけど、DLCなしだと家具の種類少ないなーって思う
    まあBanishedはインディーだから当たり前だし、だいぶずれた例えな気もするけど、追求したい楽しみの部分以外は全部MODとか追加販売ありきのデザイン
    その点日本のゲームはそういう追求したい楽しみ以外の枝葉末節はどれも始めから妙に凝ってるけど肝腎のゲームの内容がダメダメだったりシステムがクソだったりして評価としては日本のゲームの方が悪くなるっていうか
    でも日本人にMLB the showとかfootball managerは作れないし、アメリカ人にパワプロやサカつくは作れないし合わないと思うんだよね。(これが言いたかっただけ)
    数百本プレイした人はそういうところをストーリー性って簡単に言ってしまったがためにこうなったんかなあと思う

  5. そもそも日本VS海外という前提がクソだよ、クソ!

  6. 枝葉末節が妙に揃っていたりする件は日本の雇用スタイルも関係あるんじゃないですかねぇ。
    パッと作って解雇ができなくて、シナリオやゲームデザインが一向に定まらなくて手持ち無沙汰のアーティストがモデルばっかり作って充実してるとか。
    単純に海外、日本の大枠で比較ができるものではないし、実態も知らないですけど。
     
    主観視点のものは直接プレイヤーに訴えかけるものも多いし、設定や現実味もしっかりしてて没入感が強すぎるというのはあるかもしれないですねぇ。
    スポーツの例はまさにお国柄ですかね。国色や土壌、文脈やらを知ってないと楽しめない部分は確かにあります、あります。
     
    個別の国やタイトルで比較ならまだリアルリアリティ(UDK)があったかもしれないですねぇクォレハ…。
    ここが良い、ここが悪いと明確に定義してくれたら分かりやすかったかもしれない(分かりやすいとはいってない)
    予防線張ってても対象がガバガバすぎるんだよなぁ。

  7. 意見のベクトルが違うだけで、批判対象の人が言ってる事と物事の考え方の根本は変わらないですね。
    同類ですよ。

  8. 私は補足や問いかけに近いですかね。
    ツイッターやはてぶで叩かれていたのが気になりました。

  9. 田舎少年は何が嫌いかでしか自分を語れないのか(偏見)
    数百本やってたと言っといて有名田所ばっかりなのが気になった(小並感)
    有名田所でもhotline下北沢とかspec ops the lineとか…プレイされなかったんですか?
    んにゃっぴ、ムービーはちゃんと飛ばせるようにしてくれれば文句はないゾ、Max Payne3ははぇ^~すっごい面白い…だったけど二週目でもムービー810割飛ばせないってどうなんだゲームとして!
    This war of mineはストーリーラインは用意されてない田所かキャラクターごとの明確なキャラ付けすらされてないのに、プレイしてるうちにああ心が痛い痛い!痛いんだよぉおおおお!!になるのがすごいと思った(小並感)
    The vanishing of Ethan Carterは地味に走れるのもうれしかったんだよなぁ、Dear EsterやGOne homeも好きだけどホモはせっかちだから移動にイライラするってそれ一番言われてるゾ
    To the moonはツクールゲーでも上手く作れば一級の感動を生み出せるんだと思いましたねぇ!ツクールではRuina以来の傑作だと思うゾ
    Deadlightも面白かったけど例に挙げた連中はビジュアルの問題も大きいと思いますねぇ!ゲームだからこそ味覚以外の感覚をフルに刺激してプレイヤーに語りかけることができるんだよなぁ…
    あとはAnalogue:A hate storyもノベルゲームの秀作だからやってほしいゾ、TDN読み進めじゃない仕掛けにもうホンットびっくりした!(エ)

  10. This war of mineは偶発的なドラマ性や個々の体験が形作る物語が自分のものと感じられてより心に響くという感じですかね。
    んにゃぴ、サバイバルが楽しそうだけどまだプレイしてないです。センセンシャル!
     
    Analogue: A Hate Storyはあっなんかハングルが書いてる(偏見)という印象だけで全くノーチェックだったゾ。
    ウィッシュリストに追加しておきますよーするするヌッ!

  11. そもそもnomeuのあの記事が叩かれてる要因の一つに三つ前の記事で
    「最近は海外のPCゲームに飽きてしまって全然プレイする気になれず」
    って出だしで書き出しといて、糞みたいな国産基本無料オンラインゲームのべた褒め記事を書いた後だったからじゃない?(名推理)
    国産オンゲがわるいわけじゃないけど、洋ゲーを出汁にして褒める感じが嫌いじゃないけど好きじゃない人多かったと思う(小並感)

  12. CLOSERSは韓国のゲームなんだよなぁ…。
    日本でサービスや販売されているものはすべて日本のゲームってワケ? ナカナカヤルジャナイ!(KNN)
    韓国に失礼だろ、いい加減にSR!
    匿名掲示板みたいな場所やけど、誰かがニコニコしてる裏で、泣いている人がいるような場所じゃなくて、全員がニコニコ出来るような場所になってくれるといいと思ってます(SRTN)

  13. つまりnomeuは海外ゲーム全然プレイする気になれずとか書きながら
    海外ゲームのべた褒めレビューしてたんですね、もう顔面草まみれや(カウンター)

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